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ちょっと今から仕事やめてくるのmofaのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

【余計な仕掛けは不要】

前半は、リアルに描けていて面白かったけれど、
後半になるにつれ、「おや?雲行きが怪しい」と。
邦画あるある・・・なんですけど。
 リアルのまま突っ走って~って思うのに、どうしても、何かインパクトのあることを・・・とか、驚かせたいことや、観客の興味を引っ張りたい・・・という衝動に駆られるのか。
 
リアルな流れに感情移入していたのに・・・急に、全く別のワールドに連れていかれた気分になる。

前半は、過労死してしまいそうな青山の心情が、よく理解でき、
いつどうなってもおかしくない・・・とハラハラさせられる。
「辞めたらええやん!」とわが子を想う母の気分。
そんなところで、ヤマモトの登場に、ホッと胸をなでおろす。
 ヤマモトの正体も、いい感じで気になる・・・・。

 それなのに、後半からの展開が、残念。

そもそも、ヤマモトがなぜ、その正体を隠さないといけなかったのか。。
ヤマモトがなぜ、、消えなくてはならなかったのか。

本当、よく分からない。

ラック企業と、そこにすがりつく若者を描き、
その場所だけが世界ではない・・・というメッセージならば、
余計なミステリーなど無用だと思う。

 お蔭で、1番大切な「辞めてくる」という場面が、そのインパクトを失うことになった。

福士蒼汰の関西弁は、そこまで違和感はなかったけれど、
最後のバヌアツのシーンは、違和感だった。
  その地に居ついてる感じがなくて、そのため、
日本から逃げ出しているだけ・・・という印象を持ってしまう。

 この映画の大切なところは、
今の働いているブラックな職場が世界ではない・・・という事であって、
「働く」という社会から飛び出すという事ではないと思う。
 彼らのように、日本から出て、夢のある海外で・・・という展開は、夢物語のようにも感じて、
いっきにリアルさを失わせている。

わが子のように感じた青山クンには、新たな職場で、
イキイキと働くラストシーンが、似合っていたと思う。
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