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BLAME!(ブラム)のヒカルのレビュー・感想・評価

BLAME!(ブラム)(2017年製作の映画)
4.0
原作漫画は3冊くらいしか読んでませんが、弐瓶勉のデビュー作でゴルゴ13並みに寡黙な男が主人公のハードなSF作品。弐瓶勉作品はシドニアの騎士が大好きなのでネトフリでアニメ映画化されていた本作を視聴。

弐瓶勉作品は大雪海のカイナを昨年にTVアニメと劇場版を視聴しガッカリしました。ファンタジー世界とアニメ制作であるポリゴン・ピクチュアズのフルCGアニメとの相性の悪さが1つの要因だったかと思います。本作は人間を駆除対象とするダンジョンの様な都市での人間達のサバイブを描いており、CGアニメとの相性は良く、唯一無二なディストピアの世界観を描けていたかと思います。

寡黙な主人公なので、漫画では無言の戦闘シーンが多く、マニア以外には少々厳しいですが、本作はとある集落での話しにフォーカスしており、主人公以外のキャラクターは普通に喋るので観やすくなってます。キャラクターデザインも主人公はイケメンに、女性キャラも人間、非人間共に可愛らしく又は美しく描かれており、漫画デビュー作故のキャラデザの不安定さや弱さを補っています。

総じて良く出来ていたと思いますが、ストーリーが昔のRPGの様に一本道ルートを忙しなくこなす感じで、増殖する都市の膨大さや絶望感などを描けておらず、映画ではなく、2クールくらいのアニメシリーズでやってくれていたらよかったと思いました。また、そのストーリーもサプライズ要素は匂わせ過ぎのバレバレかつベタなものであったりし、無難に置きにきた感じで予定調和なものでした。

但し、漫画の続きを読むべくアマゾンの欲しいものリストに4巻を入れる事となりましたので、サイバーパンク2077のゲーム人気を復活させたエッジランナーズと同様に、BLAME!という漫画のプロモーションムービーとしては秀逸なものだったかと思いますので、少しオマケで星4.0にしときます。(家がとても狭いので、昔から続いているJOJOとハンターハンター以外はKindleでしか漫画を買いませんが、家が大きい人は新装版の大判の紙媒体が良いと思います。絵はかなり上手い漫画家さんです。)
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