暴力的な爆音や耳鳴りやノイズと音が遠くなっていく静寂の緩急のある音響効果で聴覚が失われていく不安と絶望を耳で体感する映画体験。
こんなにも"聞こえる"ということと"聞こえない"ということを意識したことってはじめてかもしれない。
普段生きていて耳で音を聞くということはあまりにも当たり前なことすぎて意識することがなくて聞こえない人のことを想像することは容易ではない。
視覚や嗅覚はある程度自力でオフにすることが可能だけど聴覚は耳栓でもしなけりゃずっと機能し続けているものね。
聴覚障がい者のコミュニティの管理人さんが言う「我々が探しているのはここ(頭)の解決策だ、ここ(耳)じゃない」という話が印象的、治ることが現実的ではない難聴は治すものではなく抱えながら共に生きていく術を探すのが大事なんだな。
実際コミュニティの人々は支え合い助け合って笑いの絶えない生活をしている。
ピアノを弾いているところをみんなで囲んでピアノを触って耳じゃなく身体で演奏を聴くシーンが好き。
今度散歩する時にでも公園のベンチに座って聞こえてくる周りの音をじっくり感じてみようかなぁ。
