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Peace to Us in Our Dreams(原題)
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『Peace to Us in Our Dreams(原題)』に投稿された感想・評価

[亡きカテリーナ・ゴルベワの想い出を受け入れるまで] 80点

これは良い。絶望的につまらない前作『Eastern Drift』から5年が経ち、この期間に何が起こったかと云えば、ゴルベワさんが亡くなったのである。長らく人生を共にしたバルタスの絶望は計り知れないものであっただろうことは想像に難くない。そうして完成した本作品では主人公をバルタス自身が演じ、亡くなった妻にはゴルベワ姐さんの写真を、ぎこちない関係の娘にはバルタスとゴルベワさんの娘Ina Marija Bartaitéを使うことで、映画内の親子関係は現実と陸続きであり、バルタスの絶望・ゴルベワさんとの想い出・娘との精神的和解をそのまま落とし込んだ形になっている。無理にジャンル分けすれば私的映画になるのか。

ある夏の日、父親が恋人と自身の娘の三人で湖畔の別荘にやって来る。娘の母親は亡くなっており、父親との関係はぎこちない。父親もバイオリニストの恋人と上手くいっていない。この微妙に拗れた関係が、そのまま会話しないことに繋がっていて、娘のIna Marija Bartaitéが母親にそっくりなのも相まって、初期作品に戻ったかのような懐かしさと嬉しさがこみ上げてくる。まぁ会話は増えていたが、それを補って余りある静謐なショットが戻ってきていた。

ライフルを盗んだ旧友の隣人と過ごす娘、孤独になって隣人と共に酒を飲むバイオリニストの恋人、そして前の恋人らしき女性の訪問を受けて会話するバルタス。そして、恋人が居ない隙に、父娘は亡くなった母親について言葉にできない感情を語り始める。隣人の父親殺しについての挿話が一つの基軸になっているのには若干謎は残るが、バルタスとイーナ・マリアが互いの感情を吐露して見えない絆が生まれるシーンでの、断絶を飛び越えた瞬間は本当に素晴らしかった。

R.I.P. Ina Marija Bartaitė.
やはり良い映画において言葉は添え物程度でしかないということを改めて思い知った作品。

というのも、この作品のDVDをイギリスから取り寄せたらまさかのスペインからの輸入品で字幕がスペイン語しか付いておらず、ちゃんと理解できるかと柄にもなく心配してしまったけど、そこはシャルナス・バルタスらしく台詞をあまり用いないで映像で語るスタンスを取っていたので何の苦も無く映画を味わうことができた。(一応スペイン語の字幕を自力で英語翻訳してみたりしたけど画面を見て予想できることを殆ど言っていただけだった)

そしてその映像も湖畔を中心とした自然の風景が絵画的で美しく、人物への光の当て方も絶妙で(日向は勿論日陰でも僅かな陽光が美しい)、映像に美的なものを求める人間に最上級の喜びを与えるものとなっていて、この映画のDVDをちゃんと確認せず買ったのは正解だったようだ。

ブレッソンやベルイマン、あとソクーロフやビクトル・エリセが好きなら絶対気に入る一品だが、こんな言葉に頼らず美しい映像で語る良い映画も、他のシャルナス・バルタス作品同様日本では儲からないってことで絶対上映されないだろうと思うとなんとも惜しい。(そういう意味でも買って正解だったとつくづく思う)
なすび

なすびの感想・評価

4.0
湖畔や風にそよぐ木々や草たちとか映像や静けさは好みだった、今はこういうところにずっといたい。けどシャルナスバルタス自身が出演して語る言葉たちがあまりに抽象的だしなんだか恩着せがましくて、話さないほうがいいのになと思ってしまった。出てくる人々がみなどこかしらに心の病を抱えているような、何かを喪失していることがわかる顔つきなのもすこし見ていると負担に思えてきだす…たぶん監督はゴルベワさんを失った哀しみをこうやって作品にすることでしかどうにもできないのではないかと思った。

ゴルベワ娘と仲良くなる孤独な少年は、最初はトマト盗むわライフル盗むわでなんてワルガキだ…と思ってたけど、「人を信じることはもうやめた、人々は変わってしまった」というセリフを言うあたりから心に傷を抱えていることがわかり終盤で家庭環境が劣悪なことがわかる。汚い言葉を使い罵り合う父と母、暴力、これはつらい…そしてついに引き金は引かれる。

シャルナスバルタスの映画ではほとんど(全部見てないから断言できないけど)すべての映画で銃が用いられ、殺人が起こる。その前後にはあまり感情の機微が見受けられず、人々は今までの静けさを携えたままただ引き金を引く。怒りとか悲しみとかではなく、言葉にならない何かの積み重ねが引き金を引かせる。

女の人たちがヒステリック気味なのすごくよかった👍