回想シーンでご飯3杯いける

ひな鳥の冒険の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ひな鳥の冒険(2016年製作の映画)
3.5
「ファインディング・ドリー」と同時上映で、2017年アカデミー賞の短編アニメ映画賞を受賞。

こうやって通して観ていると良く分かるのだが、創業者の1人であるスティーブ・ジョブズが他界した2011年辺りから低迷期に入っていたピクサーも「インサイド・ヘッド」で人間の内面世界を描いた辺りから意欲作が増え、その後に制作された短編「ひな鳥の冒険」も同社らしい観察眼と技術力を遺憾なく発揮している。

小鳥の羽毛や水のの描写は勿論なのだが、何と言っても秀逸なのは小動物達の習性の描写と、そこから見た海の存在感である。僕達人間にとっては小さな波でも、小鳥にとっては大津波である事を、台詞の無い世界で見事に表現していく。その背景があってこそ、本作の主題である小鳥の成長がドラマとして生きてくるのだと思う。