易々と離れられるわけもなくひたすら家に「戻ってくる」話で、半端なく救いの無い展開に驚く。
永遠に続くように思える階段にも終わりがあって、カラオケや居酒屋で時間を使うにも限度がある。金と知識のある大人ですらその程度の抵抗しかできないのだから、子供にとってはなおさらだ。
そりゃあ捨てられることに敏感になるし、悲しくなくても涙を流すふりはするんだろう。生きていくために、彼らは家からは逃げられない。
嘘と誤魔化しが瓦解する車内の会話が地獄だった。いつどこでどうしていれば、彼らはあの事態を避けられたんだろう。