Sasada

ありふれた教室のSasadaのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
3.5
あれよあれよとまずい方向に転がり落ちていくさまは到底“ありふれた”ものとは言えないが、そのきっかけとなる盗難と盗撮自体はまああり得るレベルのもので。

ゼロトレランス方式って教育の現場の言葉のイメージがなかったけれど、とっくの昔から実際に運用されてんですね。もし本気でやるのなら透明性と公正性の担保は必須の仕組みなのに、それをやらない大人たちの卑怯さが印象的。「多数決」だの「民主的に」だの言いながら臭いものには蓋をして捨てちゃおうとするスタイルが前面に出ていて最悪だった。それは教育ではない。

ぎゃーぎゃー騒いでわがままいう教室の生徒たちと、ぎゃーぎゃー騒いで保身に必死な職員室の先生たち。学校の先生って大変すよねと改めて。

果たして誰が盗んだのか?は本筋じゃないので深追いしないけれど、あの映像だけじゃなんとも言えない。生徒(学校新聞)も校長をはじめ先生たちも、事実の周りでフワフワと印象を述べて責任をなすりつけ合う。そんな中でちゃんと個人を見ていたのは誰と誰か。ラストはちょっとスリービルボードを思い出した。
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