イチロヲ

ザ・ルームのイチロヲのレビュー・感想・評価

ザ・ルーム(2003年製作の映画)
3.0
婚約者との倦怠を感じ始めた女性が、持ち前の二枚舌で縁切り作戦を決行する。映画マニアから「愛すべき駄作」の評価を得ている、エロティック・ドラマ。2017年度「ディザスター・アーティスト」で製作秘話が描かれている。

本作のヒロインは、婚約者を傷つけたくない一心から性生活を続けるのだが、それとは別腹で本命の彼氏(婚約者の親友)とも性生活を続ける。「自身の魔性に翻弄される女」と「女のしたたかさに翻弄される男」を双方向から描いていくドラマ。

「シチュエーション・コメディのような寸劇が展開される→甘いBGMが流れて濡れ場が始まる」の反復パターンが延々と繰り広げられる。前後カットの整合性がハチャメチャであり、喜怒哀楽、行動理念がコロコロと変化する。もはやドラッグ・ムービーの世界。

監督兼主演のトミー・ウィゾーは、内田裕也と高野拳磁を足したような、記憶に残る風貌をしているが、映画製作のセンスがナッシング。ガラスの心をもった銀行員というキャラクターを無理やり演じているため、良くも悪くもファンキーなことになっている。
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