emily

ブライドグルームのemilyのレビュー・感想・評価

ブライドグルーム(2013年製作の映画)
3.5
幸せに暮らしていた同姓カップルのトムとシェーン。トムが転落死して亡くなった後、インタビューや思い出の写真、トムの歌も交えながら、二人の愛の軌跡、死後同性愛者であることで、葬式にも参列できなかったショーンの悲しみを綴る。

2015年の6月には、アメリカ全州で同姓婚が認められています。それもひとえにショーンのような活動の積み重ねの結果であります。ショーンの家族はそのカミングアウトを受け入れていましたが、トムの家族は受け入れていませんでした。トムはイケメンで、みんなから愛されていた才能あふれる人だった。親からしたら唯一の欠点が同性愛であるということだったのでしょう。しかしそれを否定するということは、その人自身を否定することになる。

自由の国を掲げるアメリカでもまだまだ同性愛は法的に受け入れられていても、まだまだ難しい問題でもあります。昨今は日本でも取り上げられるようになってきましたが、まだまだ時間がかかる問題でしょう。今作はトムの人間性や、二人の愛の深さ、その純粋な愛の深さが言葉の端々や周りの人たちの言葉で痛いほど伝わってきます。そうしてその深さはトムの死を決して無駄にすることなく、ショーンの活動へとつながっていったのです。ドキュメンタリーなんですが、しっかりドラマがあって、最後には涙が止まりませんでした。
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