イタリア映画祭にて鑑賞。

"換えのきかない夫婦"って言葉があるけれど、ステキな夫婦、例えばそれが老夫婦なんかであったりしたら、ホントにこれ以上ぴったりな言葉ってないと思う。

夫婦だけじゃなくて、恋人同士でも、一緒にいる互いの空気感から話題、温度、話すスピード、感性、部屋の温度に至るまで様々な、もうそれはそれは第三者が口を挟む隙が微塵もないほど細かくて複雑なものが2人の間にはあると思う。
長く寄り添うごとに、何度も何度も喧嘩や言い合いをして、離れては近付きを繰り返し、そうやって換えのきかない夫婦ってのができあがるんだなぁ。

おっと余談だった笑。

この作品は40代女性の同性愛を描いた作品で、マルゲリータ・ブイというアタシの大好きな女優さんと「グレートビューティ」にも出演していたサブリーナ・フェリッリと共に主演されています。
なぁんだ同性愛ものか、と思うことなかれ。アタシはこの作品を、分かり易く伝えるために同性愛を軸にして描いただけて、男女同士の間でも全く違いはないテーマを扱ってると思うわ。

人生の選択。
ときに、戸惑い、惑わせながら、誰の言うことにも左右されず、自問自答して選択していかなきゃいけないのが人生なんだなぁ。今この人と一緒にいるべきか離れるべきか、そんなコトだったらどんなかたにもご経験はあるはず。それを描いた作品です。

またも余談だけれど、特別に綺麗で目立つ女優さんでもないけれど、マルゲリータ・ブイが好きです。声や話し方が特に好き。口数の少ない役が多いですが、黙っていても絵になる女優さんなのであります。うるさくなく、落ち着いていて、包容力が溢れる感じ、すんごく好きです。そんな女優にあたいはなりたい…

イタリアっぽさも少ないし全体的には薄味なんだけど、クライマックスのエモーションの高鳴りは忘れ難い。

女性カップルの話だけれど、男女に置き換えれば映画にするほどでもないよくある話。だからこそいいのかも。居住空間とベンガル猫がリッチで最高過ぎた。