ぶみ

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのぶみのレビュー・感想・評価

3.0
運命を変える、最後の冒険へ。

ジェームズ・マンゴールド監督、スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス製作総指揮、ハリソン・フォード主演によるアクション・アドベンチャーで、前作から15年の時を経て製作されたインディ・ジョーンズシリーズの第五弾。
考古学者であるインディアナ・ジョーンズの、歴史を変える秘宝「アンティキティラのダイヤル」にまつわる最後の冒険を描く。
過去四作品は鑑賞済み。
主人公となるジョーンズを言わずもがなのフォード、本作でのジョーンズの相棒とも言えるヘレナ・ショーをフィービー・ウォーラー=ブリッジ、宿敵となる元ナチスの物理学者ユルゲン・フォラーをマッツ・ミケルセンが演じているほか、アントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイヴィス、トビー・ジョーンズ、トーマス・クレッチマンが登場と、新旧のメンバーが集結。
物語は1969年をベースとしているが、冒頭第二次世界大戦当時のシーンでスタート、その若かりしジョーンズもフォード自身が演じているとのことであるため、最新の映像技術は流石の一言。
以降、陸に海に空にと舞台を変え、ジョーンズが動き回る様は、まさにアクション・アドベンチャーの代名詞とも言える本作品らしいもの。
とりわけ、中盤にある日本で言えばダイハツ・ミゼットかのような三輪車で行われるカーチェイスは、バーハンドルでそこまでできるのかという野暮なツッコミはさておき、見どころの一つ。
そして何より、ジョン・ウィリアムズによる、誰もが一度は耳にしたことがあるであろうテーマ曲が随所に流れるため、テンションが上がらないわけがない。
ただ、本作品が傑作とまで言えるかというと、正直微妙なところで、前述のような三輪車によるカーチェイスは古さと新しさが同居したものであるし、他にも過去作品のオマージュが多々登場するのだが、単純にアクション作品として考えると、目新しさは特になく、アドベンチャーとしても深い謎解きがある訳ではなくと、全体的にはあっさりした印象であるとともに、約二時間半という尺が必要だったのかも疑問符がつく内容。
ラストの展開も、ファンタジーが苦手な私としてもギリギリ許容範囲内ではあったし、スピルバーグが監督から降板したとは言え、マンゴールド監督による過去からのエッセンスを散りばめた作風は悪くないものの、シリーズ特有の泥臭さや知的好奇心がくすぐられる雰囲気が薄められているため、シリーズ作品と言うよりも、インディ・ジョーンズ風味のアクションものかなと思うとともに、フォードにはお疲れ様でしたと言いたくなる一作。

アルキメデスは、時の流れを読み解いた。
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