転生Moljiana

レゴバットマン ザ・ムービーの転生Moljianaのレビュー・感想・評価

4.1
 前作『LEGO(R) ムービー』を観ないまま、吹替版で視聴しましたが本当に素晴らしかった!!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を超えて、私のベストアメコミ映画になりました!!

 先ず上映時間105分とは思えない疾走感と矢継ぎ早に飛び出すギャグの数々がもう最高!!バットマンとジョーカー一味の対決は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を彷彿とさせる素早いアクションの目白押しでしたし、メタギャグの数々にも制作者側の深いアメコミ愛を感じました。特に「自宅の暗証番号は?」からの「アイアンマンのバーカ」は3人しかいない場内で声を挙げて大爆笑してしまいました()

 今作のバットマンは最近のシリアス一辺倒なスタイルとは打って変わって饒舌且つかなりの構ってちゃん。子供の頃に家族を強盗に殺され、正義に目覚めたバットマンは表舞台では「孤高の存在」として闘い続ける。しかし心の中では家族と云う存在を求め続けていた……。
今作ではそんな感じに屈折してしまったバットマンが後のロビンとなる孤児・ディックや一目惚れした新任の警察署長・バーバラを通して、自らの過去と「家族の消失」への恐怖に対し向き合う決意をする訳ですが、このエピソード1つ切り取っても見所満載でしたし感情移入しまくりでした。特に帰宅後、恋愛映画を観ながら侘びしくロブスター(吹替版だと伊勢海老)を食べるバットマンの様子は、バイト帰りにGEOで借りた映画を観ながらカップ麺を食べている何時もの私を観ている様で哀しくなりました……。

 ジョーカーを筆頭とした悪役一味も最高の一言。バットマンに対し自分をライバルだと認めて欲しいと躍起になるジョーカーとゴッサムシティから悪人が一掃された事でお払い箱になったバットマンを一作品内で見せる事で善と悪は表裏一体だと示す演出も『ダークナイト』以来となる「正義とは何か?」「悪とは何か?」を定義出来ていて結構良かったとは思いますが、もっと目を見張るべきはその悪役一味の人選。
コレに関しては公式サイトにも載っていませんし、言わない方が良いんでしょうが……いやぁビックリしましたねぇ……。「え、此奴ら出しても良いんだ!?」って思いましたよ!!しかもアイツに至っては別のスクリーンでも出演してるじゃねぇか!!TV局だったら干されてるよ!!
あ、因みに今作、ジョーカーの恋人としてハーレイ・クインが登場するんですけど、心なしかジョーカーとハーレイ・クインの関係が『スーサイド・スクワッド』よりもしっくり来たのは気の所為ですかね……。レゴに負けるジャレッド・レトとマーゴット・ロビー……。

 今後視聴する際に注目すべき所は書いたつもりなので取り敢えずレビューはこんな感じで。『モアナと伝説の海』や『SING』『キングコング 髑髏島の巨神』などに押され気味で注目されていないのが残念な限りですが、私としては此処まで子供から大人まで楽しめる作品は無いと思います!!是非とも劇場で観て欲しい作品!!特に名古屋在住の方々はレゴランドなんてボッタクリ(子供:5,300円,大人:6,900円/1日,再入場不可)なんて行かずに今作を観に行くべき!!もしくはUSJ!!!!

<2017年(暫定)ベスト1位>
※『マッドマックス怒りのデス・ロード ブラック&クローム エディション』を除いた順位です。

雑記:因みに公開前、大炎上し署名運動に迄発展した小島よしおのロビン役の吹替、正直私も不安視していましたが……最高じゃねぇか!!
 いや、本当に最高なんですって。元気でお調子者なロビンの役に上手く徹していましたし、芸能人吹き替えでは有りがちな「本人の顔が浮かび上がって集中出来ない」的なトラブルも一切ありませんでした。確かに御自身の持ちギャグ(「そんなの関係ねぇ」「はい、オッパッピー」etc.)をぶち込むスタイルは唐突だし、それ自体が許せない場合はもうどうしようも無い訳無いので何とも言えませんが、私が観た限り劇中ではそれらのギャグも意味を持った使われ方がされていましたし、そもそもな話、映画自体がハチャメチャなので全然気にならなかったんですよね。
 それだけではなく、声優界のレジェンド・山寺宏一さんのバットマンもコミカルとシリアスの役の使い分けが当然と云うべきですが、非常に上手でしたし、字幕版で観るよりも1つ1つのギャグが活きている様に感じました。悪役キャラでも演じるのがかなり難しいであろうジョーカーもベテラン声優の子安武人さんの熱演で非常に違和感無く楽しめましたし。おかずクラブの方々は……正直気付かなかったです……。まあ、警戒してても気付かない位、問題の無い演技だと思っていただいて構いません。

 そんな訳で字幕派の私でも吹替版は最高だったんですけど、Twitterだと上映前に散々叩いておいて実際に視聴したら手の平返して大絶賛している人ばっかでなんかねぇ……。しかも署名運動のページも消えてるし。私自身「実際に観なきゃ、良いか悪いかなんて分かんないじゃん!!」ってスタンスな為、公開前の宣伝や芸能人吹き替えを過度に批判するのはあまり好きじゃないので、ちょっと複雑。
しかも噂だと、署名運動で集まった署名は既にワーナーに提出したとの事なので、これを機にDVD版だと吹替が差し替えとかになったら、正直今の吹替版に満足している私からすると悪いニュースでしか無いですし、上映が開始して絶賛ムードになった途端にそれらを無かった事にするのは個人的には「ちょっとないんじゃない?」と思わなくもなかったです。

 最後の最後に愚痴吐いて皆さんすみません……。
転生Moljiana

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