カタパルトスープレックス

ザ・コンサルタントのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)
3.8
ギャヴィン・オコナー監督のサスペンス・アクション作品です。タイプは違いますが『ウォーリアー』(2011年)にも通じる複雑なキャラクター造形がすぐれた作品です。

主人公クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)の職業は町はずれの士がない会計事務所を営んでいますが、裏家業は資金洗浄に殺し屋。電話での指示だけを出す謎の女性助手と働いている。ある日、たまには合法的な仕事もしようという女性助手の勧めもありリビング・ロボティクス社の仕事を請け負うのだが……という話です。少し矛盾があるプロットだったりしますが、終わらせ方はとても好き。

本作のキモは主人公のキャラクター造形と演じるベン・アフレックの演技です。職業設定だけでも複雑なのですが、さらに高機能自閉症だったりします。親子関係や兄弟関係も複雑。その複雑さを無表情の中に抱え込んでいる。アクション映画は脳筋な感じがしますが、クリス・ウルフは会計士で数学の天才だったりもするので、とてもインテリジェントな感じがする。

主人公の自閉症ならではの性質が本作のテーマにもつながっていると感じました。一回はじめると終わらせなければいけない。それは「不屈の精神」であり、最初に出てくるモハメッド・アリにも通じるものがあります。

本作は三部作とすることが発表され、すでに続編の予告編も公開されているので、近いうちに続きが見れると思うと楽しみです。