少年と女性しかいない島。なにかが起きているような起きていないような。
映像専攻の学生へのレポート課題としてよさそうな作品。
非常に寡黙な作品で、少なすぎる情報とタイトルからこの世界全体の設定を推察することを観客に強要する。
映像は芸術的だが見せ方は退屈なうえ脳への負担は大きく、夜に見ていて何度も気を失った。主人公ニコラが夢と現実の境で「ハッ!」となるシーンを観客も追体験できる。
よく考えるとストーリーはわからないでもないし、よくこの企画通せたなと感心もするが、設定の作り込みが甘く単純に描き切れていない印象も否めない。
「だって私の作ってるのはアートですから」と監督自身が批判を上からつっぱねる姿が容易に想像できる映画だった。
個人的にはアートだからこそ病的なほど作りこまれためちゃくちゃおもしろい映画であってほしい。