Pam

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘いのPamのレビュー・感想・評価

3.9
私はどちらの味方でもないけど、これは見るべき!見なさい!

戦争映画はいろいろ見たけど、それは俳優が演じてるわけで、映画なんですが、これってドキュメンタリー??

プライベート・ライアンも地獄の黙示録も1941もダンケルクも今までの映画全部偽物。あれ戦死しても家で帰ってご飯食べてるんです。この映画で死んだ人は一生戻ってきません。子供の顔も孫の顔も見られません!!

それだけで強烈。歴史的に見れば90日ぐらいの首都の市民広場付近で起きた非常に狭い場所で撮られたドキュメンタリーではあるが彼の国の大きな歴史であるということ。

もちろん断片的歴史であり、複眼的にみないと理解は無理だろうがとにかく一つの視点が増えた。

16歳の若者が広場からお母さんに電話するシーンで涙腺崩壊。助けに行く若者が目の前で動かなくなるシーンに目を伏せた。

あとやはり宗教者の勇気を称えたい。ただあれは特攻隊的に戦闘下におけるハイ状態だったのではないかと思わざるを得ない節もある。。

私は母親なので息子は失いたくない。ただその息子たちの子供にはいい社会になって欲しい。すべてのお母ちゃんが祈ってたよね。。涙

人間らしい映画だと思う。撮影隊の命がけのカメラ回しに拍手。戦争をエンタメとして消費する自分にも考えさせられる。。なにかの代償はいつか払わされる気がする。小麦価格なのかなにかはわからないが。

ただこの戦いは実は自らの専制政治をおこなってきた、大統領に向けて行った市民戦争であることもわすれてはいけない。今の敵は隣国のロシアだ。。別のコンテキストが存在する。ただ、ウクライナ人というのは戦いに慣れているし、みずからの国の自由のためには銃弾さえ怖くない現代の民族だということがよくわかった。ロシアが苦戦しているのもわかる。

私はどちらも味方ではないが、とりあえずウクライナ人の側面を見せてくれた素晴らしい映画だと思う。これはウクライナのPR映画かもしれない。すごい。
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