EmiDebu

映画 聲の形のEmiDebuのネタバレレビュー・内容・結末

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

自分の母親は三姉妹の真ん中で、姉も妹も聾唖だった。
両親はその耳が聞こえない姉妹の世話に付きっきりで、疎外感を感じた母は家を出た。

小さい頃、おばさん達に会う時何も気にしてなかったがある時からなんとなく耳が聞こえないんだと思った。耳が聞こえない人の独特な喋り方も子供の時は理解できたし何もへんだとは思わなかった。

小学校に入ると同じ学年に耳の聞こえない女の子がいた。俺は、そんな親戚を持っていたからか仲良く接していたし、その子に対して「身障」と馬鹿にする奴らと仲が良かったけど、その発言をする時だけはそいつらが大嫌いだった。

そんな俺に対して先生方も、まるで良くできた生徒を見つけたかのように、クラスでは隣の席にさせ、休み時間を奪って他の学年の障がいを持った子達と交流する時間を俺にだけ持たせて、なんだかそういうのはそういうので子供心に迷惑だけど差別したくはないみたいな複雑な小学校生活のシーンがあった。

だからこそ(原作はもっと酷いらしいが)前半のイジメシーンは当時を思い出して反吐が出るくらいの嫌悪感があった。
かといって優しくすると、俺の場合そのことを周りにいじられるようなことはなかったけど、大人達から色々任されて自由な時間を奪われるその当時の複雑な心境が蘇った。

他の人のレビューを参考にするが、確かにイジメっ子に恋をするなんてご都合主義な話でしかないと思う。自分に与えられた危害を前に、相手のその後の苦労なんて関係ない。

温かい登場人物と、あとマジで最後までムカつくどうしようもない登場人物(川井)がいるのが良かった。

あとMy Generationを持ってくるセンスと、京都アニメーションのクオリティ。

周りの声に耳を塞ぎ、目を逸らして生きていく表現は良かったけど、最後にみんな剥がれて号泣っていうくだりはやり過ぎというか現実離れしてて萎えた。
なんかそういう、心を取り戻していくのって徐々に起こることで急すぎ。
EmiDebu

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