映画大好きそーやさん

すんドめ2の映画大好きそーやさんのネタバレレビュー・内容・結末

すんドめ2(2015年製作の映画)
1.7

このレビューはネタバレを含みます

人気ちょいエロラブコメ漫画の実写化、リメイクシリーズ2作目!
本シリーズ(1回目のリメイク版)の完結作でありながら、何もかもを有耶無耶にして終わらせていった1本です。
前作のラスト、そして今作の冒頭で示された、鼻血の意味が明かされることなく終わってしまったのは拍子抜けでした。
この流れで悪かった点を列挙していきたいのですが、まず鼻血がぽたぽたと落ちるまでのシャワーシーンが驚くほど長く、のっけから気持ちをゲンナリさせられます。
次に、ドラマ版でもあった水お使いシークエンスにおける、車に軽く轢かれ水を台無しにし、ずぶ濡れになってしまうという流れをバッサリカットして、結果だけを見せるのは少し勿体ないように感じました。
主人公の「やってしまった!」という感情の起伏が最もよく見える場面であったと思うため、ここは尺が伸びても入れるべきだったと思います。
また、後半の心霊スポットに行くシークエンスでは、心霊スポットに入ると覚悟を決めてから入っていくのに要する時間が長く、純粋にダラダラしているようにしか見えませんでした。
そんなところに尺を使うなら、上記に示した水お使いシークエンスにも尺が使えた気がします。
あと、前述した心霊スポット潜入シークエンスのラストでヒロインが元男だったとカミングアウトした場面がありましたが、結局それは嘘で、主人公の自慰行為のし過ぎを抑制する意味があったという、意味のわからない説明で処理されたのは納得いきませんでした。
ネタばらしまでもかなりの時間がかかっており、そんな取ってつけたような主人公への揺さぶりは寒いだけだと思いました。
作中、主人公がヒロインの指を舐めるシーンが2回ほどあるのですが、それも「またかよ!」としか思わず、盛り下がる展開でした。
最後に、最高のカタルシスがあった場面を経て主題歌が流れ始めるのですが、主題歌を流しつつ主人公とヒロイン(主に、ヒロイン)が帰宅する過程を丁寧に追っていくという、謎のエピローグが付いていて、完全に蛇足でしかありませんでした。
ここまで真剣に作品と向き合って、腹が立ったのも久しぶりでした!
思い出したので追加しますが、鬼ころしを飲むシーンがあるのは、高校生という設定である以上、さすがにマズイだろうと思わざるを得ませんでした。必然性があればまだ良かったですが、そんなものは一切ありませんでした。
ただ、全部全部が悪かった訳ではなく、前作からレベルアップした部分は沢山あったかと思います。
こちらも映画の時系列順で紹介していきます。
まず、「先生、お腹痛いので休んでいってもいいですか?」の天丼は、お笑い的に面白かったです。(ランジャタイやジャルジャルのネタを想起させるようで、最早そこをずっと観ていたくなりました)
次に、ヒロインの家にてヒロインの体操着を着せてもらうシークエンスも、途中の体育着越しのキス含め、とても紳士レベルの高い1シーンだったと思います。
また、謎に要所要所で映される空が美しく、その後にパンツ見せ等が行われることもあって、もう情緒が迷子になること請け合いです。
浪漫倶楽部の面々のエロティシズムに対する執着も凄まじく、心霊スポットに行きたくないと駄々を捏ねていたところで、入部もしていないのに居座るギャルから「心霊写真1枚につき、おっぱい1揉みいいよ」(言い回しに違いあり)と言われ、即座に1人が承諾、もう1人は1チラを希望するという流れが最高にバカらしくて、素直に笑ってしまいました。
心霊スポットに潜入した直後、ポタポタと水が落ちる音が聞こえ、ホラー描写として普通に不気味だったのも良かったです。
6人いたため、2人ずつで心霊スポットを探索することになったのですが、当然主人公はヒロインとペアになり、2人になってからしばらく歩いた後に誘惑してくるヒロインには痺れました。(いきなり自慰行為について聞き始めたのには、状況も相まって「いつどこで何聞いてんだよ!」と思わずツッコんでしまいましたが笑)
そこで行われる耳元での囁き、男性器辺りに手をもっていく動作、指を舐めさせる行為(これが本作における、1回目の指舐め)と、どの内容もエロティシズムに満ちていて、本シリーズの本領発揮パートだったと思います。
主人公たち以外は目的地で合流し、呪いの鳥居を潜ること(潜ったら呪われるらしい)になり、部員でもないギャルが潜ると言い出します。
鳥居は小さく屈んで入る必要がありました。
ギャルは必死になって身体をねじ込ませますが、すぐにパンツが見え始めます。
その様子を見て、浪漫倶楽部のメンバーは興奮し、沢山シャッターを切っていました。
この一連のシークエンスもならではといった具合で、呪いという前振りをエロティシズムで返すアイデアはアガるポイントだったと思います。(『アベンジャーズ』で言うところの、ヒーロー全員がアッセンブルしている場面と同じですね!)
終盤の主人公とヒロインのデート展開はやや強引で、かつ手錠を付けた状態で行うという、前時代的エロティシズムに落ち着いてしまっていて少々残念ではありました。
色々と雑な流れを消化しつつ、部室での映画鑑賞が始まりますが、そこでも自慰行為をしてみせろだの、指舐め(2回目)だのと、どこかで見た場面が続いていきます。
ネタ切れなのか!大丈夫か!?と心配していたところで、最後にはキスして終わるというありがちな終わり方で物語の幕は閉じていきます。
ストーリーとしてはあまりよろしくなかったですが、十分に溜めた上でのキスは幾ばくかは認められるかなと思います。(褒めまで長くなってしまい、すみません!)
悪い点、良い点に触れた上で思いますが、伏線として明確に振っていた部分の放棄含め、脚本であれ、演技であれ、演出であれ、シリーズの強みであれ、どれもが薄味、ブレブレで、どうにも評価としては低くなってしまう内容でした。
と、ここまで丁寧に見てきましたが、如何でしたでしょうか?
正直、前作で愛想を尽かし去っていった方も多くいたと思います。
私は誰も観ないならと、先陣を切って鑑賞させて頂いた次第です。
悪い点、良い点を天秤にかけた上で総合的に判断し、スコアは前作から+0.1した1.7とさせて頂きました。(2024年4月21日現在)
もちろん観ろとは言いませんが、もしこの奇妙な文字の羅列を見て興味をもった方がいましたら、挑戦してみて下さい。
総じて、前作からは進化しながらも、所詮は本当に暇な時に観る、少しエロティックな映像集でした!