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SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁のtanayukiのレビュー・感想・評価

4.2
BBC版『SHERLOCK』のスペシャル版。この作品だけ切り出されて劇場公開されたので、filmarksでの扱いも「映画」になってるみたい。原題「The Abominable Bride」は、コナン・ドイル原作では事件名だけ残っているものの、詳細が語られなかった事件の1つ、「リコレッティ夫人の幽霊の謎」を書き起こしたものだという。

シリーズ3エピソード3のラスト、マグヌセン殺害の罪で生還不可能とされた東欧の潜入捜査に赴くことになったシャーロックだったが、電波ジャックしたモリアーティの「MISS ME?(会いたかった?)」の呼びかけによって、わずか数分で呼び戻されることになる。

本作の舞台は1895年のヴィクトリア朝期のロンドン。本物(?)のシャーロックが活躍していた時代に、現代版シャーロックの面々がそっくりそのまま移植されるというメタ設定がまずもって愉快。

自分の頭を撃ち抜いて自殺したはずのリコレッティ夫人が、その日の夜に夫のもとに現れ、警官の眼の前でショットガンで夫を殺害したという。眼の前で自殺したはずの人間が生きている。それはまさに、現代のシャーロックが直面しているモリアーティの件そのものではないか!

ドラッグの過剰摂取により意識が混濁するシャーロックは、マインドパレスにこもり、過去の事件をたどる。自分の目が何を目撃しようとも、死んだ人間は生き返らないという原理原則に立ち戻り(この展開も、シリーズ2エピソード2「バスカヴィルのハウンド」と似てるね)、意識の中にくり返し現れるモリアーティ本人と対決する。

マイクロフトによって、シャーロックが幼いころに飼っていた「Redbeard(赤ひげ)」という犬が消えた(死んだ?)ことがほのめかされる。

△2023/12/15 Apple TV鑑賞。スコア4.3
△2017/10/14 iTunes登録。スコア
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