のんのん

リップヴァンウィンクルの花嫁ののんのんのレビュー・感想・評価

4.2
流浪の月の感想で、岩井俊二のように撮って欲しかったのだと書いた。岩井俊二の大ファンだったわけでも無いが、あのモヤっとした空気感は好きだったのだのだと思う。全部観たわけでは無いけれど。

そしてこの映画。題名が良いじゃないか!わたくしはあっという間に惹き込まれた。どこがどう良いのか分からないけど。

この人の映画って、なんというか、登場人物が現実的じゃないというか、浮世離れしてるというか、そういうところが好きなのだと思った。しかも全員。

主役級の黒木華、Cocco、綾野剛はもちろんだが、例えば水槽の生き物について指導してくれる人や、ウェディングドレスを着て写真を撮るときの、お店の人やカメラマンに至る脇役まで、なーんか変わって見える。

普通のセリフなのに、ちょっとだけ現実的な人間じゃない。ううぅ、この感覚を解ってくれるだろうか。

最後りりィが出てくる。かっこいいりりィが出てくる。そのシーン、最高だった。そのシーンの綾野剛も黒木華もすごーく良かった。

家族ゲームの優作や、パラサイトの最後にキレるインディアンソンガンホのように気に入った。綾野剛と黒木華気に入った。笑いたくなるような、泣きたくなるような。ブラボー。

Coccoは木の実ナナに似ていると思った。そして友人が動画を送ってくれた。松田優作が、リップヴァンウィンクルについて話している動画。す、すごい。野獣死すべし。
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