旅するランナー

ガールズ&パンツァー 劇場版の旅するランナーのレビュー・感想・評価

4.5
【男子諸君、パンツァー・フォー!】

塚口サンサン劇場での「岩浪音博2024」(岩浪美和音響監督監修による特別音響上映、パッケージリテイク版)。
「NO MORE 映画泥棒」からすでに、通常は聞こえていないズンズン音が聞こえてます。

いきなり、冒頭の大洗女子学園の優勝記念エキビジョンマッチ。
茨城県大洗ゴルフ倶楽部での戦車による砲撃音・走行音で映画館が揺れます。
ちょっと怖いくらいです。

そして、舞台は大洗の市街戦へ。
実在する、大洗文化センター、マルヤ水産駐車場、美家古鮨、割烹旅館肴屋本店などが破壊されていきます。
戦車による、大洗シーサイドステーションのエスカレーターや、大洗磯前神社の石段下りに至っては、もうメチャクチャです。
凄すぎる。

思えば、男の子は、子供の頃、戦車が好きな時期が必ずある。
この作品では、実際に存在した戦車が縦横無尽に動き、撃ちまくる。
しかも、美少女たちが操縦し、発射する。
これほど、男心をくすぐる設定があるだろうか。
爆音に包まれ、いつしか、子供のような無垢な心で、無心に映画を楽しみ陶酔している自分に気付きます。

後半は、大洗女子学園の存続を賭けた、大学選抜チームとの殲滅戦。
岩見沢市の北海道グリーンランドがモデルだといわれる、廃遊園地での激戦。
二百三高地、三船作戦など、過去の戦争や戦争映画へのオマージュも詰め込まれています。

現実世界では、ウクライナやガザ地区のように、砲撃に怯える市民がいる。
そんな中、戦車道なんていうオチャラケた設定に興奮している場合ではないことも分かっている。
でも、確かに、戦車道には、人生の大切なすべての事がつまってるんだよ。
男子諸君、ガルパンの世界で、君の熱き思いを取り戻そう!