画面のトーンは無彩色に近く、セリフや音楽も控えめ。突然、静寂を破って地雷が爆発する轟音が響く。やりきれない思いが後を引く作品だった。
戦争遺物の中でも特に危険なのが地雷。戦勝国からすれば地雷を埋めたドイツ軍が処理するのは当然なのかもしれないが、撤去作業のドイツ兵捕虜に多くの犠牲者が出てしまう。
少年兵たちにもデンマーク軍のラスムスン軍曹にも感情移入できて辛い。
罪を憎んで人を憎まず、とは言うけれど。罪を犯したのは国なのか、個人なのか。償うのは国なのか、個人なのか。何度も問われた疑問がここでも。
皮肉にも戦争は多くの名作を世に送り出した。いっぱい感動をもらったけれど、もう戦争の新たな題材は生まない世界になるといい。
※捕虜の強制労働はジュネーブ条約で禁止