KengoTerazono

ぼくの伯父さんのKengoTerazonoのレビュー・感想・評価

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)
-
ジャック・タチの完璧主義が一貫していて、心地いい。フレーム内に対する意識に貫かれている一方で、音声はひたすらフレームの外へと向かう。画面の中で言い争っている人がいても、その人たちの声はほとんど聞こえず、後景の物音や、フレーム外の街中の人の騒がしい声、さらには物語世界外の劇伴が前景化している。

消費資本主義に溺れるブルジョワに対するギャグがそこらじゅうに散りばめられている。子どもが車の列にいたずらするシークェンスはお気に入りだ。
庭でのパーティーは、前景、中景、後景の人が各々関連しながら動いていて、目で追うのが大変。
タイルを渡らなければいけないという強迫観念が面白い。タチの几帳面さが滲み出ている。
KengoTerazono

KengoTerazono