れれれざうるす

ABC・オブ・デス2のれれれざうるすのネタバレレビュー・内容・結末

ABC・オブ・デス2(2014年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

A〜Zを各国のホラー映画監督が1話約5分で『死』について独自に解釈したオムニバス第2弾。

前作は突出して素晴らしい作品がせいぜい3〜5作品程度で、見るに耐えないものもあったけど、今作は全体的に面白くなってた。
本編後にタイトルが出てくるところがこのシリーズの良さ。


A「amateur/アマチュア」
肝心の出だしの微妙感。タイトル通り、詰めの甘い暗殺者の話といったところ。蛆が気持ち悪かった。それだけ。

B「badger/アナグマ」
これは本当にアナグマなのかな?原発によるイカレアナグマなのかな?真相はどうであれ、好みのカラダ真っ二つなので嫌いじゃない。

C「capital punishment/死刑」
特に面白くはないがチープな首切りが見れたので満足でっす!

D「deloused/駆除」
素晴らしい。NHKで流してほしいほどのストップモーションアニメ。
拘束されて殺された男が、犯人に踏み殺された一匹の虫によって生き返る。「命は命で払え」と虫に言われ、犯人一家を殺して生首を虫に食わせる。がしかし、男は首がなくなった一家に首を切られてしまい、全員死んだ末に虫は去ってゆく。
なるほど…命をやられたら命を奪い返せという…。内容云々よりもこんな気味の悪くも魅力的なアニメがこんなオムニバスにあることがもったいない!!虫の這い方、目のイキ方、画面から悪臭漂いそうな汚いグロテスクにワックワクが止まらない!!好き!!

E「equilibrium/平衡」
無人島生活の男2人。そこに美女1人が入ると恋愛関係で揉めるのは人間なので仕方ないよね。当然無人島からも出たいよね。そこで殺し合う男達…と思いきや!!女をブチ殺す!!そうすると全てが解決し楽しくなっちゃって美味しいビールを飲みたくなるね!!
って解釈でいいですか?
「ゾンビ革命」の監督らしい。

F「falling/落下」
木にぶら下がった女とそこに現れた敵の男の話。「そんなつもりじゃなかった」というラストの女の表情がなんとなく切ない。

G「granddad/祖父」
ジジイが汚いの一言

H「head game/駆け引き」
男女のアニメーション。子供の頃NHKで見た謎のアニメって感じ。それ以上でもそれ以下でもない。

I「invincible/無敵」
不死身の老婆。アジア特有の煩さと汚さ。

J「jesus/ジーザス」
でたーー!!!100点満点!!!
幸せそうにキスをするゲイカップル。それを見た神父は、片方を拘束して拷問という名の悪魔払いをする。そこに突如現れたモンスターぽい謎の男に神父達は無惨にブチ殺される。
静寂の中、男の腕には恋人と同じ「愛は法なり」というタトゥーが浮かび上がり、2人は見つめ合う。
うっわあああああああ!!!愛が!!!深い!!!素晴らしいリベンジに素晴らしいゴア描写、そして素晴らしい切なさに私は涙を流しました。まさかABCオブデスで泣くなんて思わなかったわ…。

K「knell/凶兆」
全く意味わからんが日本映画の様な曇った雰囲気がわりと良い。

L「legacy/遺物」
覚えてない

M「masticate/かみつき魔」
キチガイか何かの感染者かゾンビかなと思いきやドラックでハイになってついついかみつき魔になっちゃった☆っていうチャーミングデブの話

N「nexus/連鎖」
たしかにこれは連鎖。特に感想がないです。

O「ochlocrasy/愚民政治」
ABCオブデス日本枠。前作は日本の恥を晒してくれたけど今作の日本は頑張っております。
ゾンビの世界になりゾンビを殺しまくったが、実は生き返る術があったため大量殺人容疑をかけられる話。
しかし別に面白くはない。もう一押し。

P「P-P-P-P scray!」(ピ ピ PS怖い!)
昔のホラーにありそうなノリ。
ナンバーワンクソ決定。
これ見てるタイミングで父が帰宅して、私がとんでもないクソ映画見てると思われて辛かった。

Q「questionnaire/アンケート」
ゴリラと脳移植ってアイデアがまず良い。
アンケート→脳移植の順ではなく、脳移植→アンケートの順で合ってるよね?むしろそうでないと面白くないが。
人間の脳と交換したゴリラが一体どうなるのか気になる。これは長編で見たい。きっとミシェルゴンドリーの「ヒューマンネイチュア」ぽくなるだろうね!

R「roulette/ルーレット」
銃で自分の頭をうつロシアンルーレットをする話。これ人によって解釈変わりそう。生か死かのやりとりを慎重に行ってるのにその後虚しく謎の“何か”に殺されるのではないかなと。

S「split/破局」
ラストで鳥肌!!!
電話を繋げたまま妻が謎の殺人鬼に追われて殺されてしまう。そして次に狙われるは赤ちゃん。
夫「赤ん坊はやめてくれ」
殺人鬼「じゃあそこにいる夫と話をさせて」
…夫の隣にいる殺人鬼の夫(裸)。
おい!!またホモかよ!!!
これも最高でね…。妻と夫と犯人の三視点から同時に進むのが良い。夫と犯人を絡ませるなんて不可能じゃね?からのホモだからね。ホモオチは卑怯。

T「tprture porn/残虐ポルノ」
オーディションで「どーせチンポ好きなんだろ〜〜?しゃぶってみろよ〜〜」みたいな嫌がらせを女の子にしたら実は妖怪チンポ食べるマンだったって話。

U「utopia/ユートピア」
ブサイクは死ねよっていう話。ブサイクは焼き殺されて美しい者達が拍手喝采とかブサイク可哀想すぎるだろ。

V「vacation/バカンス」
これもなかなか。本気出した怒りのブスババアがかっこいい。ザックザクに刺し殺して更にベランダから落とすほどブスババアの心は傷ついたのだろうか。

W「wish/願い」
おもちゃで遊んでるとその世界に入り込んでしまう話。
この見覚えあるトロマ級のチープ感。なんて思っていたら本当に「野獣のはらわた」の監督でやっぱりトロマ監督だった。

X「xylophone/木琴」
大好き!!!
子供が叩く木琴にイライラする女。次のシーンではグチャグチャになって骨が剥き出してる子供を木琴に見立てて叩く。
案の定「屋敷女」の監督。
短くわかりやすくホラーと死を描いたものではこれが一番秀逸。

Y「youth/若さ」
ABCオブデス日本枠。
母と義父に自由を奪われたことへの不満。その不満を妄想内で両親共々メチャクチャにする女子高生。
日本特有の“親には逆らえない”感が出ているし、ワンルーム内で妄想で報復を行う様と、ラストの怒り爆発は爽快。だが「Fuck you」や「生」という文字を一瞬入れたのは興ざめ。

Z「zygote/受精卵」
妊娠の妻。夫が出ていくとなり一人で子供を産むことに不安があり夫から産むのを遅らせる薬を貰う。それから13年、未だ子を産まぬまま腹にとどめ、腹をズルズル引き摺り大きくなった子供と会話をする。
狂気でしかない最後に相応しい素晴らしい出来!!
中の子供が外には出ようとせず(産まれるという概念を知らぬ為)、母と一体化するシーンは美しさで震えるほど。内側から母の骨を折り、骨から内蔵までを口から全て追い出し、母の皮を“着ている”状態になる。
そして何も知らず帰ってきた夫(父)とまた子作りに励むのである・・・。狂ってる!!




お気に入り内で順位をつけるなら「X」「Z」「J」「D」「S」が私の好み。
点数悩むけど圧倒的に微妙なのが多いためこのくらいで。
もし続編も出るならおそらく観るであろう