れれれざうるす

アメリカン・スリープオーバーのれれれざうるすのレビュー・感想・評価

3.0
「イットフォローズ」は今年劇場で観た中でも断トツに好きだったからその監督のデビュー作の青春群像劇なんて見逃す訳にはいかないと真夏の京都(地獄)へ行った甲斐はありました。
スリープオーバーは海外では定番の子供たちのお泊まり会なんだそうです。「イットフォローズ」で友達とずっといたのはスリープオーバーだったのかと思うと世界観が同じ様に感じてなんだかワクワク。
両作共、親の存在がまるでない。たった一夜の話。きっとここが神秘的で不思議な気分になる要因。監督自身も「親が登場したら魔法が解けて失われてしまう」と言っている。

10代の頃、友達の家に泊まりで集まった経験なんて数えるほどしかないけど、夜の公園に皆で寝転んだり、乗り気じゃない映画をダラダラ観たり、好きな人がいてドキドキしたり、思い返してみたら大人になるとそんな遊び方は絶対にないなって。青春した記憶なんてないけど全てが青春だったんだって思わせてくれる。「なんか楽しいことないかなー」と友達の家で喋ってるだけで青春してたんだろうな。

地元の高校生や大学生の素人をキャストに使ったのもあり、映画というより若者達のドキュメンタリーの様でもあった。青春していることに気付かない若者と、青春していたことに気付いた若者。たった数年で学生時代が尊い時間だったことを思い知り、現在はキラキラが失われたことも思い知る。これからずっとあの美しい思い出に想いを馳せる。

もうすぐ新学期が始まる。次の日からは少し大人になった少年少女が何事もなく学校へ行き授業を受ける。
はぁ…青春っていいな…