ハレンチ学園在学生

マドモアゼルのハレンチ学園在学生のネタバレレビュー・内容・結末

マドモアゼル(1966年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

町山智浩の『トラウマ映画館』で知った本作をようやく見ることができた。ジャン・ジュネ原案、マルグリット・デュラス脚本で「ふつう」の作品になり得るはずがない。火付けはするわ村を水浸しにするわ家畜の飲み水にヒ素を入れるわのやりたい放題のマドモアゼルを演じるジャンヌ・モローは適役なのだが、それにしてもしかし僻村に暮らす衆愚には犯人がわからないのかというツッコミを入れたくなるほどのデタラメぶりで、挙げ句の果てには「強姦された」と嘘をつき、イタリア系移民のワイルドな男を村人たちがぶち殺してしまうに及んではかえって群集心理とはそんなものかもしれないとも思わせる。デヴィッド・ワトキンのカメラは悪くないが暗闇では動きがよくわからない。引き、寄りの繰り返しからすっとジャンヌ・モローの顔の一部がフェイドインするトニー・リチャードソンの編集はなかなか見せる。