kazu1961

お遊さまのkazu1961のレビュー・感想・評価

お遊さま(1951年製作の映画)
3.6
▪️JPTitle :「お遊さま」
ORTitle: ※※※
▪️First Release Year : 1951
▪️JP Release Date : 1951/06/22
▪️Production Country : 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-077 再鑑賞
🕰Running Time : 95分
▪️Director : 溝口健二
▪️Writer : 谷崎潤一郎 (小説)、依田義賢
▪️MusicD : 早坂文雄
▪️Cast : 田中絹代、乙羽信子、堀雄二、平井岐代子、金剛麗子、柳永二郎、進藤英太郎、小林叶江
▪️Review
溝口健二が大映に移籍しての第1作目の作品になります。この後『西鶴一代女』や『雨月物語』など世界的な名作を創り上げるのですが、その前段階の作品の印象かと。物語は“慎ましやかな三角関係”とでも言ったら良いのか、お互いを思い合い助け合う姉妹と、その姉妹と“三角関係”になってしまった男の切ない物語です。谷崎潤一郎の傑作「芦刈」をオリジナルの脚本で創り上げた作品ですが、前述の2作ほどの内容的なインパクトはまだありません。
ただ、平安屏風や大和絵のような構図と映像は観るべきところが多くあります。溝口健二が大映に移籍したことによって名カメラマンの宮川一夫と初めて創り上げた作品です。露出過多の光量を多く使った光の映像が、田中絹代の平面的な描写や桜並木や自然、家屋、庭園など平安時代のような遊戯的な世界を創り上げています。エンディングの葦と月の狭間で慎之助が謡曲「葦刈」を謡いながら歩いていくシーンなどはその際たるものですね。
そして、お遊さまを演じる田中絹代と妹お静を演じる乙羽信子の切ない女同士の心の葛藤が格調高く描かれています(個人的には音羽信子に共感してしまいますが。若い頃の音羽信子はとても愛くるしいですね!)。

物語は。。。
見合いの場で男(堀雄二)が一目ぼれしたのは、見合い相手(乙羽信子)ではなく付き添いの姉(田中絹代)の方でした。それに気づいた妹は、男に形だけの夫婦になることを提案し、結婚しますが、それは姉のことを思ってのことでした。やがて三人で旅行をしたり、仲良く外出をする姿が他人の噂に上がるようになり、妹夫婦が自分のために犠牲になっていると知った姉は二人の前から姿を消すのでした。。。

▪️Overview (映画. comより)
谷崎潤一郎の名作小説、「芦刈」から、「お艶殺し」「春怨」の依田義賢が脚色し、「雪夫人絵図(1950)」に次ぐ溝口健二の監督である。撮影は「絢爛たる殺人」の宮川一夫が担当している。主演は、「銀座化粧」の田中絹代と堀雄二、「誰が私を裁くのか」の乙羽信子、それに、柳永二郎、進藤英太郎などが助演している。
kazu1961

kazu1961