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人間の値打ちのkamekichi313のレビュー・感想・評価

人間の値打ち(2013年製作の映画)
3.5
☆ひき逃げ事件と投資大損失が起きる日までの半年間を、絡み合う2家族の1人づつの視点から何度も繰り返し見せる手法は、構成が面白くて引き込まれた。本のようにチャプター分けされていて、重要な出来事は別のアングルで繰り返されて、謎解きのように段々と事件の核心が観客には見えてくる。
☆音楽は最小限で、静かな中で身内にも本音を隠して建前で会話するキャラクターの本性が見えてきて、何か起こりそうな不穏な空気が漂う。
☆お金の数字が出てくることが多いが、回収されるときになるほどと思えるラスト。
☆お金持ち一家の両親が、特に息子に対して酷くてかわいそう。薬物の彼も救いようがなくて、運命と自己中心的な大人たちに翻弄される子供たちはなんだか残酷に見えた。
☆最後まで事件がどう転ぶのかわからないスリルがあり、展開の速さが緊迫感や不安、焦りを上手く表出させていた。
☆娘側のパパが、お金持ちの上品な人に囲まれてひとり、庶民のダサい言動を披露するのは滑稽だった。
☆豪邸のお庭も室内も、街中や劇場のシーンも、豪華で洗練されたドレッシーな雰囲気が素敵。
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