ローラン･カンテと同じ原作の少女達の反抗の話なんだけどカンテのなんかよりも遥かに少女達が躍動していてレベルが違う。
何よりリーダー役のアンジョリーナ･ジョリー(めちゃ若い)が魅力的。

少女達が秘密基地の廃屋で刺青入れるシーンの儀式的な美しさが良かった。
ムショにぶち込まれたアンジョリーナとの再会のシーンではヘタに劇的に撮るよりも、遠景で薮越しにあっさりと撮るバランス感覚を感じる。見事。

アネット・ヘイウッド=カーターによる鏡や窓、ドア枠を用いたフレーム内フレームの演出がとてつもなく高度で超カッコいい。トイレでグループを作る4人がまず揃い、鏡ごしに切り返す、アンジェリーナ・ジョリーが振り向き反抗の狼煙があがると分かる。拳銃の使われ方も捻りがあっていい。先鋭化による事故。

ヘディ・バーレスが鉄橋の上に上るラスト、泣ける。『ローラーガールズ・ダイヤリー』でも店の屋上に女の子が上ってたけど、妙にグッとくるシチュエーションだ。

最高。時代設定を原作にあわせて50年代にしたローラン・カンテ版よりもフェミニズム的な主張が薄くて断然よい。こちらは服装からして現代に近い。高校生活を映して個々のカーストを提示するさりげない演出もよい。夜のシーンも多くて少女たちが集う秘密基地に射し込む月明かりがいちいちカッコイイ。便所での集合シーンに一度だけ映される引きのショットが全員の立ち位置含めて超キマってる。ここ最高。欲を言えば主人公とブラピの元嫁との出会いの場を橋にしてほしかった。始まりも終わりもあの橋にしてたら立派なガール・ミーツ・ガールになってたと思う。

• #ジョナサン・ローゼンバウム