工藤蘭丸

完全なるチェックメイトの工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)
3.5
WOWOWオンデマンドは今月一杯で解約予定なので、何か観てみようかと思って選んだ作品。これは2015年の公開時に、観に行きたいとは思っていたんだけど、タイミングが合わなくて見逃してしまった作品でしたね。

チェスの元世界チャンピオン、ボビー・フィッシャーの伝記映画だけど、私は以前チェスも覚えようかと思って、『ボビー・フィッシャーのチェス入門』という本を図書館から借りて読んだこともあるので、興味深く観ることが出来ました。その本には、初手にナイトを動かす定跡も載っていたけど、本作にはその手を初めて披露したシーンも出てきて、思わず興奮してしまいましたね。😅

でも、欲を言えばもう少し盤面をきちんと映して欲しかったかな。実話ベースということなら棋譜も残っているはずだし、実際にどんな戦いだったのか、気になるところでした。

彼がこれほどまでに精神を病んでいたことは知らなかったけど、その原因となったのは、米ソの代理戦争まで担わされるようになったプレッシャーだったというのが、本作の見解なんでしょうかね。

この原題は『Pawn Sacrifice』だけど、ポーンというのは将棋でいう歩のことで、彼らはニクソンやブレジネフの駒として戦わされ、犠牲になったという意味を込めたタイトルだったようです。