工藤蘭丸

ジョン・レノン 失われた週末の工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

4.1
ジョン・レノンの愛人だったメイ・パンが彼との思い出を綴ったドキュメンタリーだけど、私は生まれて初めて買ったLPがジョン・レノンの『ジョンの魂』でしたね。

ちょうど『イマジン』がヒットしていた中学2年の時で、『イマジン』のシングルレコードは持っていたんだけど、ある日友達に付き合ってレコード店に行き、その友達が『イマジン』のLPを買ったので、私も思い切ってLPを買うことにしたものでした。

それで、何度も聴いているうちにすっかりジョンのファンになってしまい、その後『イマジン』のLPも買ったし、さらに『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』『ヌートピア宣言』『心の壁、愛の橋』と、新譜が出る度にアルバムを買って聴くようにもなったものでした。

本作にはちょうどそんな時代のジョンの私生活が描かれているんだけど、私は彼の私生活などには全く興味がなかったし、こんな愛人がいたことも知らなかったので驚きました。彼が一時ヨーコと別居していたことは何となく知っていたけど、メイ・パンについては全く知らなかったので、非常に興味深く観ることが出来ましたね。

本作を観た上であらためて考えてみると、『ヌートピア宣言』に入っていた『あいすません』という曲は、浮気していたことへの謝罪の歌だったのかなと思って、ようやく納得が行きました。また、彼にしては珍しい明るい曲調のヒット曲だった『真夜中を突っ走れ』には、恋に浮かれていた彼の気持ちが反映されていたのかなと思ったりもしましたね。

私はジョンが殺された時はショックで、それからしばらくは、好きだった音楽も全く聴く気がしなくなってしまったものでした。彼のドキュメンタリー映画なども、辛くて観に行くことが出来なかったものだったけど、ようやくそんな傷も癒えて、本作は普通に楽しむことが出来たようです。