コクトーがメルヴィルのデビュー作を評価し、自らの原作を監督にオファーし、企画が始まったとされている。
メルヴィルの作風に対し、コクトーのナレーション・キャスティングなどを含め、コクトーが前に出過ぎていて、互いのいいところが打ち消しあってしまっている。
コクトーは映画の監督を依頼しのたなら、もっとメルヴィルに任せていたらよかったのに。
原作、音楽、撮影など骨格はいいだけに非常に惜しい。
ミスキャストの問題である、主人公姉弟の弟については、コクトーの息のかかった俳優が演じていて、役柄の割に違和感がある。
もっと繊細なイメージが欲しかった。
姉役のニコル・ステファーヌはすばらしい演技を発揮している。
寡黙だった前作「海の沈黙」とは対照的に喋り倒すし、映画全体を支配している奔放さが代え難い存在だ。
尚、メルヴィルとコクトーがカメオ出演している。
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