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マッドマックス2のDのレビュー・感想・評価

マッドマックス2(1981年製作の映画)
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抽象化された世界がさらに神話的に機能し始めるシリーズの転換点。

近未来を描いた前作から時は進み、一気に荒廃したディストピア感が強まり、世紀末ムービーの先駆けとして金字塔であり、このジャンルを形成したシリーズ代表作。

続編となる今作は、前作の大成功を受けて制作費は10倍となったことことで、もろもろとスケールアップ。

黒沢明の「用心棒」と「七人の侍」を下敷きに、石油を狙う暴走族と石油精製所の抗争に割って入るマックスというシンプルな構成ながら、圧巻の世界観が描かれている。

マックスは、相棒である犬ドッグ(オーストラリアン・キャトル・ドッグ)と共に、愛車V8インターセプターで放浪生活を送っているところから始まる。

荒んだアウトロー生活を送っていることがよくわかり、すっかり塞ぎ込んでいて、寡黙な一匹狼な生き方を体現し、少ない台詞から名言が多く飛び出す。

また、本作は敵味方関係なく、魅力に溢れる神話的なキャラクターが数多く登場する。

マックスの相棒としてジャイロ・キャプテンやフェラル・キッド。

石油精製所のリーダーパッパガーロ、女戦士 、カーマジャンなど。

一方、敵役もリーダー、ヒューマン・ガス筆頭に、ウェズ、トーディー、ゴールデン・ユース、ベアクロウ・モホークなど。

ラストのカーチェイスは、「マッドマックス 怒りのデスロード」の原型としてすでに形作られており、痺れるの一言に尽きる。
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