たまお

秘密 THE TOP SECRETのたまおのレビュー・感想・評価

秘密 THE TOP SECRET(2016年製作の映画)
1.0
久々のレビューです。ぼちぼち復帰します。
というわけで普段ほとんど邦画は観ない私がなぜこれを観に行ったかというと、原作である清水玲子先生の同名コミックの大ファンだからです。

で、観に行く前に軽くレビューなどをチェックしたところ、某映画ドット●ムの感想の中に「そびえ立つクソ」というひとことが…。
逆に良い評価をしている人もいたので、楽しみと不安が半々な感じで鑑賞してきました。

結論。そびえ立つクソでした。
以下、まったく褒めませんし悪口しか書きませんのでご注意ください。長いです。

◆長い
2時間半とかおかしい。説明がいちいち長いし、いらないシーンも多いし、この長さにする意味がまったく感じられない。
原作の中の3つの事件を元にしてるんですけど、欲張り過ぎ。しかもそれぞれの上っ面しか描かないもんだから、カタルシスも何もないし。

◆説得力ゼロ
サイコっぽいキャラ出しておいて、でもなぜ彼らがそうなったのかを語らない。だから怖さも説得力もゼロ。しかも突然ぶっこんでくるマルホランド・ドライブみたいな幻覚とか、なんちゃってシャイニングみたいな演出とかもはや失笑。

次に原作ファンとして語ります。

◆絹子…
ちょっとかわいそうなくらい、綺麗に撮ってもらえてないと思う。原作ではものすごい美少女なんですよ…だからこそ起きた事件でもあるわけで。父との関係描写も適当すぎるし。
しかも超重要な役なのに、申し訳ないが演技に説得力がない。というかあの棒読みと滑舌でいいのか。彼女だけで持たせるにはちょっと荷が重すぎたのでは。

◆大森南朋とリリー・フランキー(どっちもオリジナルキャラ)
私が彼らについてあまり得意でないというのもありますが、そこを差し置いたとしてもこの二人いらなくね?って思う。泥臭すぎて世界観にもあってないし。

◆薪さん、鈴木、青木
「秘密」というお話は、薪さん(生田斗真)が鈴木(松坂桃李)に対してどういう思いを抱いていたのか、なぜ青木(岡田将生)がその鈴木と似ていると薪さんが思ったのか、そして青木は薪さんに対してどう思っているのかっていうのがものすごく大切な部分なのに(タイトルも結局はそこにつながってくると思うので)、そのあたりの描写が一切ないんですよ。
オリキャラ出すひまがあったらそっちをちゃんと描きなさいよと。

◆キャラクターに敬意を持ってほしい
薪さんを尊敬していない、命をかけて守りたいと思っていない青木なんて青木じゃないし、原作キャラのいいところが全然描かれてないです。解釈あれでいいの?原作とは名前だけ同じ別のキャラクターだと思わなければやってられん。

◆というわけで
こんなことなら『シン・ゴジラ』もう一回観りゃ良かったと思いました。原作の方が100倍以上面白いです。ちょうど新刊が出ていたのでこれから口直しします。

◆おまけ:微ネタバレ?というほどでもないですが原作ファン的に気に入らなかったところ
・改変してまで設定した青木の家庭環境。あれ必要?
・雪子さんが「克洋」って呼び捨てにするところ。君付けだろ!!
・貝沼と薪さんの出会い。薪さんは万札握らせるような人じゃない
・ZIPと平井少年の話はもっとちゃんとやらないとダメでしょ…説明なさすぎでしょ…
なにが世界は美しいだっつの!うまいことまとめた感じにしてるけど全然すっきりしてないからね!!
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