クシーくん

くもとちゅうりっぷのクシーくんのレビュー・感想・評価

くもとちゅうりっぷ(1943年製作の映画)
3.6
日本アニメーションの父といわれる政岡憲三の代表作。
てんとう虫の可愛らしい動作からクモの器用な手足まで、驚くほどぬるぬる動く。雨上がりのクモの巣が雨に濡れて輝く描写や、葉から滴る水音が音楽になるなど、題材そのものもさる事ながら、随所にシリー・シンフォニー味を感じる。
クモがパイプをふかしてストローハットを被った黒人ジャズシンガーのような出で立ちをしており、ここから何らかのメタファー的な物を見いだせなくもないが、純粋にアニメーションとして楽しい。

てんとう虫は政岡憲三の奥さんに水着を着せてポーズを取ってもらったようだが、恐怖を感じると丸まって身を守る様子など、可愛らしい以上にちょっといやらしさがあるのは、気の所為だろうか。ミノムシは純粋に可愛いい~!ってなったけど。
16分と短尺ながら見応えがある。
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