転生Moljiana

もしも建物が話せたらの転生Moljianaのレビュー・感想・評価

もしも建物が話せたら(2014年製作の映画)
2.9
世界各地の建物6つを6人のドキュメンタリー監督が
「もし建物自身が話せたら」というコンセプトの元
建物のデザイン・歴史・機能を紹介する映画
6つの短編という事で上映時間は165分とかなりの長尺に加え
1本の映画でスタッフロールを7回観るという衝撃の映画でしたが、コーヒー片手に睡魔と闘いつつ観てきました
因みに6つとも感想を書くので文章が少し長いです
まあ何時もの事ですが……

①ベルリン・フィルハーモニー inドイツ
まず開幕からクラシック音楽という
寝不足の私に対する嫌がらせとしか思えない仕打ちですが
正直これが一番面白かったし眠くはならなかった
ベルリンでは不遇だった建築家が
観客の視線を一様にしない工夫として
演奏者を真ん中に位置し、それを取り囲む様に観客席を配置するというデザインがかなり良い
日本も真似すれば良いのに
音響を意識した設計も中々印象的
後、このパートは矢鱈昔の映像を使ってますが
時折「これって現在撮影した映像を白黒にしただけじゃん」と勘付きちょっとモヤモヤ

②ロシア国立図書館 inロシア
只々つまらない、図書館のデザインも古臭いだけで「昔ながらの○○」が無く
こんなんだったら日本にも一杯あるわって話
そしてナレーションも変というか、建物が喋ってるとしたら矛盾点が多いし
何を言ってるのか分からないのが多かった
例えるなら『ガールズ&パンツァー』の
ダージリンとミカを足して2で割った様な感じ

③ハルデン刑務所 inノルウェー
私自身、刑務所という概念そのものが嫌いでしたが
これはかなり異色、独房は全室個室で
中には売店や教会、家族との宿泊施設もある
あくまでも「更生を目的とした施設」に仕上がってて好印象
ですが、これらは刑務所のシステムの話であって
建物自体は現代建築らしい、白・グレー・透明の
三色を使った味気ないデザインなのでどうも微妙

④ソーク研究所 inアメリカ
左右対称を意識した芸術性を重視した施設ですが
何というか……建設途中の建物にしか見えない
そして一番不味いのが、「もしも建物が話せたら」というコンセプトを完全に無視して
各々勝手に喋ってる事、それじゃあ只のドキュメンタリー映画じゃん!!

⑤オスロ・オペラハウス inノルウェー
え、また音楽絡み?と最初は思いましたが
今作がある意味一番の問題作
もう建物云々完全に無視で、オペラハウスで活動している人のドキュメンタリー映画でしかない
しかも登場人物が例外無く変人揃いなので
これって有らぬ印象を与えちゃう様な……

⑥ポンピデゥー・センター inフランス
正直、良くも悪くもな出来で話す事は特に無し
「もしも建物が話せたら」というコンセプト守っているのでOK

結論から言うと、退屈はしませんでしたが
どうも建物の良さが伝わらないなってのと
①⑥以外「もしも建物が話せたら」というコンセプトを上手く活かせてない事が凄く気になった
④⑤に至ってはガン無視だし
平均するとこれ位ですが、劇場で観れる機会が有るのなら絶対に観るべきかと
何故かって?家で観たら100%寝るよ?

パート毎の平均点
①……☆3.4,②……☆2.3,③……☆3.2
④……☆2.5,⑤……☆2.7,⑥……☆3.0
転生Moljiana

転生Moljiana