kojikoji

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのkojikojiのレビュー・感想・評価

4.7
2022年 アメリカ 監督はジェームズ・キャメロン。

 今、世界はこんな映画が必要な状況なのだろう。
 昨日の「ラーゲリより愛を込めて」に引き続き家族愛、家族の団結を高らかに謳い上げる、そんな映画だった。ジェームズ・キャメロンのこの13年はここに行き着いた。

 「父親とは守るものだ。そのために父親はいる。」こんなストレートな言葉を言わせる。
「お前は家族を守っているか?」と鋭く問われているようで、身が引き締まる。

 母親ネイティリの最後の死に物狂いの戦いが心を打つ。「家族を守るために父親よしっかりしろ!」と言われているようで、先の言葉の意味を言葉以上に伝えたのは、実はこの母親の戦いだった。

 森を追われて、海の民メトケイナ族の村に逃げ込んだジェイクとネイティリの家族は、海の生活に馴染むのに苦労する。そんな家族の中で、両親より早く子供達がその生活に馴染み、そこで生きる術を早々と身につけていく。
そして、両親の危機を最後に助けたのはこの子供達だった。親から子へ引き継がれるストーリー展開がこの映画を奥深いものにしている。

 「命は借り物だから、いつかは返さなければならない。」しかしその意思はその次の世代へ引き継がれていくのだ。そう言っているようだ。

 2022年劇場鑑賞最後を飾るにふさわしい、これしかないという映画だった。

 どんなふうにしてこの映像は作ったのだろう。是非その種明かしを教えて欲しい。次から次へとこれまで見たことがない美しい映像が続く。特に海の中の映像は、息を飲む、目を見張るシーンの連続だ。すごいとしかいいようがない。言葉で表現できないから映画を撮ってる。だから当然だとキャメロン監督は言うだろう。

 もう撮り終わっているとのことだが、アバター3は、是非、この家族をクオリッチ大佐との戦いからは解放し、小さな世界に閉じこもることなく、新たな展開であって欲しい。

(余談)
 私のオールタイムベスト1はずっと「七人の侍」だ。帰りのバスの中で、どちらが上だろうと考えていた。

・テーマはまさに今の時代を反映していてアバターが上。
・映像は時代の制約を考えて五分。
・ストーリー展開は緻密さで、どう考えても七人の侍が上。子供達が3回も人質になるのはちょっとくどい。なぜ最後の戦いでメトカイナ族は消えてしまったのかよくわからない。(陽が沈むのが関係しているのか、見落としてしまったのか、知らないが、わかりづらいのは間違いない。)
と評価は互角だが、ストーリーの緻密さを大事にしたいので、「七人の侍」を上とした。

 2022.12.17視聴-550(封切り初日)
 
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