このレビューはネタバレを含みます
なぜ彼は見ず知らずの人達の為にここまでするのか、出来るのか、、、
ジョンを演じる、イケメンクラスターから遠そうなエディ・マーサンの瞳に引き付けられます。
そして、物語が進むうちに、素朴で飾らないジョンの人柄こそが美しいと感じるようになりました。
タイトルは原題のSTILL LIFEの方がしっくり来る気がします。
"まきもと"の方を先に観たのですが、こちらの本家の方は"まきもと"の様なコミカルさは無く、本当に淡々と、ひたすらに淡々と描かれていました。全くオラオラしてきません。それだけに余計沁みました。
どちらも心に残る作品ですが、今の自分には此方の方がより深く揺さぶられ、『おい神様、あんまりじゃないか!連れて帰る前に、ちょっと位夢見させてやれよ!』と思うのでした。
せめてジョンの想いがケリーに伝わります様に。
以下諸々、、、
・多宗教に対応しているのも"まきもと"とは違って興味深いところです。
・無機的な人工物の背景に人物が対比的に置かれるのは当たり前なのですが、シンメトリカルに拘っている訳では無さそうでいながら、カチッとした画もまた印象的でした。
・ジョンの内面をみて好意を持ったであろうケリーも素敵です。
・ケリーと会う為のジョンの精一杯のおしゃれがまた泣ける。
・ケリーの為に買った犬のマグカップ、そして小さなラジカセ
・イギリスだけに?食事はまきもとより更に質素?で、トーストとツナ缶?どれだけ質素なんだよジョン。
・最早聖職者よりよっぽど高聖職者レベルのジョン、その辺の生臭坊主たちにジョンの爪の垢を煎じて飲ませてやりたくなりました。
・ジャガーの霊柩車、初めて見ました。ぱっと見異様に大きなグラスエリアが目に付くズングリムックリ何となく不格好に見えるものの、よく見ると美しさを感じるデザインもまた印象的でした。それはジョンのようかも。