このレビューはネタバレを含みます
価値ある生が人生で大切なもの…。
身寄りのない人の死に対して、その人が意味ある人生を歩んできたことを必死になって探し続ける主人公。
故人の生い立ちや趣味、そして家族や知り合いなどを調べ尽くして、その人が確かに生きていた、ちゃんと世の中に存在したんだ…という証を探すことで、自らの想いを納得させていく。
独り身で仕事的にも上手く出来ない…、家族も親しい友と呼べる存在もいない主人公が、自分自身を孤独死した故人達の想いに重ねて、自分は確かに存在している、
「ちゃんと生きているんだ!」
っと、仕事を通して必死に訴え続ける。
自分自身の唯一の存在意義であった仕事を辞めさせられることになった主人公だが、自分の最後の仕事で、故人の娘に初めて自分自身の仕事や存在を認められて
「生きていた証」
を手に入れることが出来た。
自分の追い求め続けたことが達成された喜び、そのあまりの嬉しさに普段の我を忘れて道路に飛び出してしまう…。
自分の死に誰も現れない葬儀になってしまったが、今まで見送ってきた方みんなが主人公が生きていたことを集まって感謝することで証明している。
この世に生きていた人の人生は、一つも意味のない生き方をした人はいないだろうし、人という存在は何かしら誰かの為になっているということを映画を通して訴えていると思う。
人にはやっぱり繋がりや思いやり、愛が一番必要で尊いものなんだなぁ〜って、つくづく思う心が温まる作品。
良作。