息子が残した音楽たち。
それはとても美しい曲ばかり。
後に残ったのは、
咀嚼できない感情だけ…
なにが悪かったのか?
理解できない気持ちを解く鍵がありそうで、息子の歌を必死に聞き、音楽を奏でる。
どう整理すれば良いのか…
この映画を観ている間、父親と同じ戸惑いを感じ、音楽の行間を読み理解しようと努めた。少しずつ父親が奏でる理由を知るに従い、事の重大さに驚愕した。
不謹慎、人でなし…世間ではそう言うかもしれない。
その手段に出ることは得策ではないかもしれないが、心の平衡感覚を保つには必要な行為だったのかも。息子が自分の息子であった証。父親の行為は、決して弾劾はできないと思った。父親には、向き合う儀式が必要だったのだから。
この父親の儀式は、観ている自分にも注がれる気がした。誰にだって向き合うのを躊躇う事が1つや2つはあるはず。逃げても良い、だが向き合うことで前に進められる。生きるために、この儀式はどれほど勇気がいることか。
今回は殆どあらすじを書くつもりがないです。ごめんなさい。ぜひ何も知らない状態で感じて欲しいです。
僕の好きな名脇役ウィリアム・H・メイシーの監督デビュー作。とても繊細な映画です。観て本当に良かった!
故アントン・イェルチンは、本当に良い俳優さんでしたね。