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アナベル 死霊館の人形のEDDIEのレビュー・感想・評価

アナベル 死霊館の人形(2014年製作の映画)
3.0
死霊館のスピンオフ、アナベルの誕生譚。
ジェームズ・ワンは製作に回ったとはいえ、さすが同じチームだけあって撮影は一級品。長回しを上手く活用してじわじわと恐怖を煽る演出は見事。
ただ主人公夫婦の頭の悪さや理解不能な行動が目につき物語には入り込めず。

とは言いながら、意欲作ですよ。
監督はもともと『死霊館』や『インシディアス』といったジェームズ・ワン作品で撮影を担当したジョン・R・レオネッティ。
不気味に見せる撮影は流石だなと思わせます。

長回しで人形にフォーカスしたり、部屋や廊下を映したりするんだけど、意味深に映すだけで結果何も起こらないとかよくあります。
ただこの肩透かしがゾワゾワとした恐怖感を煽ってくるので、音楽も相まってとても上手いなと思わされるんです。

ただ作品自体がめちゃくちゃ面白いかと言われると絶賛はしづらいのが難しいところ。
よく頑張ってるなっては感じさせるんですよ。
けど、詰めが甘いんですよね。

主人公のミア・フォームを演じたアナベル・ウォーリス。とても美人ですが、名前がアナベルだから選ばれたのかなと思ってしまいます。実は11月公開予定のジェームズ・ワン監督の最新作『マグリナント 凶暴な悪夢』にも主演しているので要注目です。
このミアがまぁ頭お花畑なんですよ。
最後の方はやっと危機意識が出てきたかなと思うんですが、捨てたはずのアナベル人形が引越し先のダンボールから出てきて、バカみたいな発言するんですよ。
もっと警戒心持てと。

夫も夫。夫のジョンは研究員で泊まりがけで家を空けることも多いんですが、妻が混乱してる時にかけたひと言が「君の不安が作り出した幻想かもしれない。産後はうつになりやすいんだ。」ですよ。
もうバカ通り越して最低です。現状を見ろと。

極め付けはクライマックスですね…いや、もう。ネタバレになるので皆まで言いませんが、「なんで?」です。
しかも直後のミアの行動もちょっと腹が立ちます。

なので撮影や編集に関しては5点満点をあげたいところですが、肝心の脚本部分で意味不明な部分が多く満足度はそこまで高くなりませんでした。

まぁ元も子もないこと言いますけど、あんな禍々しいアナベルの人形を買って置くなと。
ちょっと理解不能ですもん。
(実際のアナベル人形はもっと可愛らしい造形をしているようです)

最後にウォーレン夫妻とアナベル人形の関係を文字で解説していましたが、やはりスピンオフだから彼らは出てきませんでした。途中この夫婦に話を聞いてみるみたいなくだりがあっただけにちょっと期待しましたが、これはこれでよかったかもしれません。

※2021年自宅鑑賞198本目
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