福福吉吉

アイアムアヒーローの福福吉吉のレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
漫画家の夢を果たせずアシスタントで暮らす鈴木英雄(大泉洋)は彼女からも愛想つかされていたが、彼女からの電話で自宅に戻った英雄は異形の怪物ZQNに彼女が変貌する姿を目の当たりにする。家を出た英雄は至るところでZQNが人を襲っている様子を目の当たりにして逃亡を図る。

◆感想◆
異形の怪物ZQNが人を襲うようになった世界で冴えない男が生き抜く姿を描いており、漫画家の夢にしがみつく気弱な男が度々の苦難の中で成長していく様子が現実味があって面白かったです。

鈴木英雄は過去に漫画家の新人賞を受賞しており、そこから漫画家を目指して出版社に原稿を持ち込むも相手にされず、漫画家のアシスタントとして冴えない人生を送っていました。この「冴えない」感じがとてもリアルで良かったと思います。ZQNがあふれる状況になっても法律を気にする変な一面も面白かったです。

英雄はZQNから逃亡している中で女子高生のヒロミ(有村架純)と出会い、彼女を守ろうと奮起するのですが、ヒロミはZQNの赤ちゃんに噛まれたことでZQNでありながら人であるという特別な状態になります。ヒロミはとても愛らしくて、彼女がどうなるのかとても興味を惹かれました。

ストーリー後半になると、富士山のふもとのアウトレットモールに立てこもる伊浦(吉沢悠)をリーダーとした集団に入るのですが、この集団の中での権力争いの部分がイライラして腹立たしかったですが、一筋縄では行かない展開の中で、英雄が覚醒する姿は熱いものを感じました。

ラストは最終的な決着をつけるものでなく、これからも続くような感じだったので、ヒロミがこの先どうなるのか気になりました。

本作の見どころとしてZQNの映像のグロテスクさにあると思います。人からZQNに変わるシーンはどれも気持ち悪くて、かなり嫌悪感を抱かせるデザインをしていて怖かったです。また、街全体がZQNにより壊滅状態にあることを映像でしっかり表現していたのもとても良かったです。

ZQNが本当に怖くデザインされていて、面白い作品になっていました。終盤の英雄の姿もグッと心に来ました。

鑑賞日:2024年3月26日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
福福吉吉

福福吉吉