残酷な紛争のひとつチェチェンで両親を殺された少年と、ちょっとした罪で強制的に兵役にいくことになった青年を描いた作品です。
ロシアが侵攻し、両親を目の前で殺された少年ハジは、まだ赤ちゃんの弟を連れて逃げます。しかし9歳の少年に幼い弟を世話できるはずもなく、ある民家の前に弟を置いて去っていきます。そして何とか避難先でEU職員の女性と出会うのですが、ハジは過酷な経験で話せなくなっていた、、、
いっぽう戦場に送られた青年ニコライは過酷な兵役やイジメで疲弊していくのですが、徐々にその過酷な状況に慣れていきます。そしてついに最前線に送られることになり、、、
この物語は「紛争」という過酷な経験で話せなくなった少年が再生していく姿と、普通の青年が過酷な状況で徐々に壊れていく姿を対比させて描かれています。そして最後に少年と青年の過酷な運命がつながっていきます。
ハジ役の子の演技がすばらしいですね。セリフなしでも表情ですごく感情が伝わってきます。感動と絶望が同時に押し寄せてくる作品です。
