かたゆき

ダイバージェントのかたゆきのレビュー・感想・評価

ダイバージェント(2013年製作の映画)
2.0
この街に住める私たちは幸運だ。戦争で他の街は破壊されたという。
私たちの祖先は、平和を守るため5つの派閥を作った――。
「博学」知識や論理を重んじる彼らはあらゆることを知っている。
「平和」彼らは農作業を担当、親切で仲良しでいつも楽しそう。
「高潔」正義と秩序が信条の彼らは、常に真実を語る。
「勇敢」彼らは私たち市民と街を守る警察であり軍人だ。私はずっと彼らに憧れていた。
私の派閥は「無欲」、簡素な暮らしと奉仕の精神を大事にする。
堅物の私たちは他の派閥から信頼され、政治を任されている。
そう、これから大人になろうとしている私たちは、今日人生を決める適性検査を受けることになる。
自分の属する派閥が改めて診断されるのだ。
だが、私はこの時知らなかった。自分がどこにも属さない、将来体制を揺るがすとして怖れられている“ダイバージェント(異端者)”であることを……。
終末戦争後の荒廃した未来社会を舞台に、そんな特異なシステムによって支配された世界で「異端者」と診断された少女の恋と成長をダイナミックに描いたSF作品。

こういう設定勝負のSF映画って、どれだけその設定に説得力なりリアリティを持たせられるかが勝負となるものだけど、いやー、見事なまでに破綻しまくりのアホ映画でしたね、これ。
敢えていちいち言わないけど、もう設定のおかしなところや突っ込み所を挙げていけば鼻血が出そうなほどいっぱい有りまくりで、僕は最後まで苦笑いの連続で顔面が引き攣りそうでした(笑)。
冒頭の訓練シーンの間延び具合とか半端ないっしょ!確実にいらんシーンが30分はあったし。
それに物語の重要な核となる「異端者」の体制を揺るがすという謎の能力の正体も、〝洗脳薬が効かない〟だけって…、なんやねん、それーー!!

他にも「え、んなあほな~!」やら「どうしてそーなるの!」やら「お父さんとお母さん、お涙ちょーだいのために出しただけやろ!」やら「最後の『やっぱり愛が世界を救うんだよね、うむうむ』って結論も薄っぺらいにもほどがあるやろーー、こらーー!!」と血管切れそうでした。

今作といい、いまやトンデモお馬鹿映画として映画史にその名を刻むであろう某『ハ〇ガー・ゲ〇ム』といい、こういう観客にへりくだったような猿でも分かるだろ的中2病アホ映画が最近ちょっと多過ぎるような気がします。
良識ある映画ファンを自任する僕としては、こんなお馬鹿映画がこれからの映画界の新たなメインストリームにならんことを祈るばかりです。
かたゆき

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