OASIS

劇場版アイカツ!のOASISのレビュー・感想・評価

劇場版アイカツ!(2014年製作の映画)
3.8
アイドル養成学校のスターライト学園を舞台に、トップアイドルを目指す星宮いちごが自身が主役のライブを開催する事になり仲間達と共にそれを成功に導こうとする話。

テレビアニメ「アイカツ!」初の劇場版アニメ。
テレビ版やデータカードダスが小さい女の子達の間で大ブームを巻き起こしており、男の子は「妖怪ウォッチ」、女の子は「アイカツ!」と住み分けはきちんと出来ているらしい。
中には子供に混じってゲーム機に並んだり、小学生ばかりの空間に「大きいお友達」が多数押し寄せるといった現象も起こり彼らは「アイカツおじさん」などと呼ばれているそうな。

自分はそんなに熱中して見ている訳でも無く、主人公がいちごの時代は全く知らずいちごの後輩であるあかりに変わってからたまにTVをつけたらやっているのを見るという程度。
しかもそれも星宮いちご役の声優が諸星すみれだからというだけの理由。
だから、オープニングでいきなり全キャストが勢揃いして登場しても、いちごと二人の親友あおいと蘭、新主人公のあかりくらいしか分からなかった。

しかしキャラクターは全員可愛いし、若干装飾過多気味な衣装も華やかで、何よりCGとアニメの融合が恐ろしくハイクオリティなレベルで成されているので、キャラクターがCGverになってもその可愛さを損なっていない所が素晴らしい。
おまけに、ステージ側から観客席側を写したショットであったり、メインで映っているキャラクター以外をソフトフォーカス気味にぼかす事で際立たせたり、ステージで踊るキャラクターを斜め上からクレーン撮影のような角度で捉えたりと実写さながらのアングルや凝った構図の良さが光っていた。
キャラクターが踊りながらカメラ目線で近寄って来てくれるなど、思いもよらずドキっとするような瞬間も。

「大スター宮いちごまつり」と名付けられた過去最大の個人イベントを成功させる為に集まるいちご他仲間達。
「穏やかじゃない!」が口癖のあおいや蘭を始め、ヴァンパイアのコスプレをしたお嬢様風な子や寿司屋の娘風な子がいたりどれもキャラ作りが濃い女の子達ばかり。
アニメ版を見ていない自分からすればそのキャラお決まりのセリフやギャグなんかに反応する事が出来ないのが辛いが(掛け声がアイ!カツ!とか、オケオケオッケーて何だよとか)、そのワイワイとした日常生活をもっと見てみたいと思わせるものはあってアニメ版にも触れたくなった。

ライブの為の新曲を作る事になり、
路上ライブをする花音に作曲をお願いするいちご達。
出来上がった曲を聞いても「何か違う」と満足が行かない様子。
そこで、いちごの憧れの存在であるトップアイドルのみづきの力を借りようとするが彼女はアイドルを辞めようと決意していて、その二人を一番後輩のあかりが繋ぎ合わせようとするという流れ。

いちごの憧れであるみづき→現役アイドルのいちご→そしていちごに憧れるあかりと、分かり易くアイドルが世代交代していく様を見せてくれて、シリーズ通して見てきたファンからすればその集大成的な出来に感動するのは想像できる。
全くファンでも無い自分が三人で歌う「Let's アイカツ!」に涙しそうになってしまったんだから。

カードが現実に衣装化したり、曲の間奏部分に急に空を飛んだり空中に弓矢を放ったりと、演出や設定に「?」が浮かぶ部分が多かったし、第一、普段の声と歌で声優が分かれているという所がアイドルアニメとしては惜しいかなとも思った。
僕は諸星すみれちゃんの歌が聞きたかったんですよ...。
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