広島カップ

日の果ての広島カップのレビュー・感想・評価

日の果て(1954年製作の映画)
3.7
太平洋戦争の末期、フィリピンの日本軍は食糧弾薬ともに底をつきかけていた。前線の最高司令官(加藤嘉)は「それでも退却はしない、脱走者は許さない」とあくまでも徹底抗戦の構え。
脱走者のうちの一人の軍医(岡田英次)を探して連れ戻すよう命を受けた中尉(鶴田浩二)はフィリピンのジャングルの奥に入って行く。軍医が逆らって戻らないならば射殺せよという命令なのだが、軍医は中尉の親友なのだ。

上官の命令には絶対服従という軍の規律に対し、軍人としてそれに従うべしという者ともう耐えられないと逃げる者。行くも地獄、帰るも地獄の戦場を描く第一次戦後派作家の一人梅崎春生原作の映画化。

♪何から何まぁで、真っ暗ぅら闇よ〜
あまり大声が似合わない鶴田浩二が、結核持ちで身体の弱そうな苦悩する中尉を好演しています。
上官の命令でジャングルの奥地にいる軍人を探しに行くというストーリーは何となく『地獄の黙示録』(1979)を連想させます。ジャングルの奥地に正気を失った女がいたり、地獄の..のデニス・ホッパー的な役どころで殿山泰司が出てきたり、ちょっとニヤニヤしちゃいます。
コッポラはまさかこれ観ていないよね?
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