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ジョン・ウィックのkekqのネタバレレビュー・内容・結末

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

なにも考えずに観られる映画が観たくなり鑑賞。期待以上になにも考えずに観られる映画でとても面白かった。

シリーズ化も納得の斬新かつ素晴らしい点がたくさんあるが、せっかくなので最大の敬意をもってツッコミどころを網羅してみよう。

1. ジョン・ウイック油断しすぎ
とりあえずこの一言に尽きる。まずガソリンスタンドで遭遇したチンピラごときに自宅がバレている時点でヤバい。さらに言うとあんなデカい元殺し屋の家なのにインターホンが玄関直通かつモニターすら見ないのもヤバい。たしかにあのチンピラはよくないが、なんの疑いもなくドアを開けたジョン・ウイックにも大いに責任がある。それでファミリーごと壊滅はあんまりにもひどくないか?あ、最後のボスにわざとおなか刺されるシーンは意味がわからなかったけど、多少なりとも悪かったと思ってやった?
あとジョン・ウイックは狙撃に対する警戒心が緩すぎる。ホテル帰ってカーテンも閉めずに窓側のベッドで寝るとかチャレンジャーにもほどがある。デフォーの親切に再三助けられていたがスナイパーがデフォーでなければ映画の中だけでも10回は死んでいた。

2. 敵の警備ザルすぎ
ジョン・ウイック以上に問題があるのが敵のロシアンマフィアだ。序盤のクラブを襲撃されるシーンで普通に歩いてきたジョン・ウイックに入り口から入られる時点でその無能さに腰が抜けた。特に機能していないのはあのインカムつけてモニター見ていた連中で、数人殺されたあとで「来たぞー!」と叫ぶだけでそれ以上のことが何もできていない。おかげでチームプレイというものが全くなっておらず、ただ転がるボールに群がるだけの中学の体育のサッカーを見ているようだった。とりあえずターゲットと出入口を押さえて、あとは落ち着いて対処すれば確実に勝てるから。みんな銃持ってるのに一人ずつ飛びかかっていくのは絶対NG!あれでは他の人が撃てん!
さらに言うとスナイパーに対する警戒心もジョン・ウイックを遥かに下回る緩さだった。後半で一発も撃たずに死んだスナイパー風の人はなんだったのだろうか?なぜあんな派手な銃で仲間が何人も射殺された後に何のアクションもできなかったのだろうか?パズドラでもしてたのだろうか?敵が発砲したらすぐにその場所を撃つ。「ゴールデンカムイ」を読もう。

3. 犬が気の毒すぎる
この映画の最大の被害者は、犬だ。
そもそも1頭目のあの犬はどうやって届けたのだろう?死の淵にあった女性が死ぬ直接に夫に内緒で犬が自宅に届くようにオーダーした?日本のシステムではまず無理だ。あの国にはAmazonのワンクリックで犬が購入できるのだろうか。それとも元気なときにペットショップにいって「私が死んだら自宅に1頭届けといてください」とでもオーダーしたのだろうか?その方がまだ現実的だが、あまりにも飼い主として無責任でありペットショップも応じるべきではない。
そして2頭目のあの犬がいたあの施設は何だったのだろう?研究機関?保健所?なんにせよ当直もおらず全てのカギが開きっぱなしでなにもかもTAKE FREEなのは施設として異常にもほどがある。そんな施設にいる犬を何の疑問も抱かずに連れ去るジョン・ウイックの異常さも負けてはいない。さすがの彼も疲れすぎてまともな判断ができなかったのだろう。続編は見ていないが2頭目の犬に不幸が訪れないことを願うばかりだ。

4. ボスの詰めが甘過ぎる
2と若干被るしアクション映画の悪役の詰めの甘さをあえて語るのも無粋な話だが、ここのボスは多大な犠牲を払ってようやく掴んだチャンスを自ら無駄に潰しておりあまりにももったいなかった。味方はあんなすぐ殺すのに…。
殺すならちゃんと殺す。苦しませて殺したいなら椅子に縛りつけた時点で脚の腱を切るなどして逃走手段を奪う。「ベルセルク」を読もう。

まだまだ言いたいことは山ほどあるが(ハリーあっさり殺されすぎとか)、アクション映画としては本当に一級品でアクションも世界観も存分に楽しめた。
この手のアクション映画にリアルな整合性を求めてはいけないことは十分に理解している。それは街中で人をバカスカ殺していい大義名分はどの国にも存在しないからだ。

あと本作で何度目かのブレイクを果たしたというのにきっちり「ブルー・ダイヤモンド」で大コケしてくれるキアヌも相変わらず愛せすぎる。

身も心も疲れたときにジョン・ウイックchapter2とパラベラムで癒されよう。
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