このレビューはネタバレを含みます
ほんの少し泣きはしたものの、よく考えたら独善的×独善的でムカつくなという作品だった()
マーニーの状況:
放任の親、虐めてくる家政婦、周囲にいない親しい友人。
杏奈の状況:
5歳の時に交通事故で両親死亡、たらい回ししてくる親戚、過保護な養母、市役所から出ている教育支援金、喘息持ち。
杏奈は殻に閉じこもる性格からクラスで孤立しており、喘息が治る気配がないことから北海道の田舎で療養することになる。
そこで、幽霊のような美しい少女、マーニーと出会う。
二人は心を通わせるが、それもそのはず。
実はマーニーは杏奈の祖母で、杏奈はマーニーの孫だった。
マーニーは幼馴染の和彦と結婚した後、子どもを娘1人儲けたものの、和彦はすぐに病死。
そのショックからマーニーは病気になり、サナトリウムに入ることになったため、娘をどこかに預けることにした。
その結果、娘はマーニーのことを母親と思わないようになり、不良っぽい人と結婚。
そして、杏奈を儲けた後、事故死。
だから、だ。
マーニーにサイロに取り残され、杏奈が怒って湿っ地屋敷に行った時、マーニーが窓の鍵を叩き割って「私を許すと言って」というシーンに心底ムカついたのは。
私の理解が足りないのかもしれないが、マーニーは自分だけが可愛かったようにしか思えなかった。
杏奈、え?それで納得できる??
私なら理解を示すことはできるが、納得することはできない。
マーニーがとても可哀想な人だったので、哀れみで泣いてしまったが、考えれば考えるほどムカつく人だ。
もしかすると、私がマーニーの娘や杏奈みたいな存在に囲まれて、その怒りを聞きながら青春時代を過ごしたからかもしれない。
もし自分に罪の意識があるなら、赦しを乞うのではなく、ひたすら最善を尽くして誠意を示すしかないだろう。
どちらにせよ、赦しを得ることはできないのだから。
たまたま杏奈が赦しただけだ。
あと、杏奈が太った子に対し、ブタと言ったのも衝撃だった。
自分が苦しいからって人を傷つけるのはダメでしょ(でも、中学生なら仕方がないかとも思うが)。
ブタと言われたことを平然と「はい、この話終わり」と言えるあの子がこの映画で最も尊い。