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GODZILLA ゴジラのなおのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
3.6
4月26日公開の新作『ゴジラ×コング 新たなる帝国』鑑賞前の予習として「モンスター・ヴァース」マラソン開始。

日本が世界に誇る特撮映画「ゴジラ」シリーズのリブート的位置づけであり、1998年公開『GODZILLA』以来16年ぶりの新作。
日本では「レジェンダリーゴジラ」「ギャレス版」などと呼称されることが多い。

✏️守護者か、破壊者か
まずとにかくキャスト陣の豪華さにビビる。

全世界で大ヒットドラマとなった『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストン。
もう彼が怒鳴りながら電話で何かを指示してるのを見るとウォルターにしか見えない。

そして個人的に大ファン、リジーことエリザベス・オルセン…若い!笑
そりゃあそうだよなぁ、今からもう10年も前だし、その頃彼女は20代中盤だし…
子どもと家庭を守りながら夫であるフォードの帰りを待ちつつ、モンスターの脅威にさらされるサンフランシスコの市民を救おうとする一人の強き女性を見事好演。

ちなみに本作が公開された1年後の2015年には『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』にてMCU参戦を果たした。
(本作と同年に公開された『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にも出演しているがカメオ扱いであり、ノンクレジット)

また世界のケン・ワタナベも出演。
同じく「モンスター・ヴァース」の作品である『ゴジラvsコング』にてハリウッドデビューを果たした小栗旬の見せどころが白目一つだったことと比べると、やはりケン・ワタナベの存在感は際立っている。

さて怪獣映画としての評価に話を移す。
まず「怪獣に"人格"のようなものを持たせる」という発想が斬新。

本作で人類、そしてゴジラにとって最大の脅威として描かれる「ムートー / M.U.T.O.」。
生物でありながらどこか機械的であり、非常にスタイリッシュさを感じさせるデザインに惚れてしまう。
メスの個体のデカさには思わずビビった。映画館で観たらもっとスゴかっただろうな。

そんなムートーもれっきとした「生き物」。
我々人間たちのように繁殖──子どもを産み子孫を残すという本能を持っている。
そう、この「モンスター・ヴァース」が他の怪獣映画と比較して特異な点は、怪獣が持つ人格、そしてその生態をありありと描いている点にあると思う。

ムートーとしては別に人類に対してちょっかいを出したいワケではなく(たぶん)、自分が卵を産むのにちょうどよかった場所がたまたま人間の目に触れる場所だっただけ。
人間の目から見れば、そんな未知の生物の卵など脅威以外の何物でもない。
未知の脅威を排除するのがこれまた人間に備わった本能だが、ムートーからすれば「愛する子どもたちに何すんのよ!」と怒り狂うのは当然の結果。
現に劇中、卵を壊滅させられたムートー(♀)が卵を攻撃した張本人であるフォードを執拗に襲う場面があった。

ムートーが敵ならば、ゴジラは味方。
本作ではまるでゴジラが人類にとっての救世主のように描かれている。
たしかに劇中、ゴジラが自ら進んで街を破壊することはない。
(ムートーの攻撃によって地面に倒れた結果、仕方なく壊してしまうということはある)

本来ならばビルをなぎ倒し、人間たちを虫けらのように踏みつぶす「怪獣」であるゴジラが、このように人類の救世主の如き存在感で扱われているのは面白い。
(ゴジラが人類の味方であるという保証などどこにもないのに…)

ゴジラがムートーと戦う理由が「(世界の)調和を取るため」というフワッとした解説に留められているため、ゴジラが人類のために戦う(ように見える)一連のシーンがご都合主義的に映ってしまう人は少なくなさそう。
これをすんなり受け入れられるかどうかで評価は大きく分かれそうだ。

物語自体も至って平凡であり、これといった意外性は特に感じられない。
ゴジラが本格的に登場するまでの「溜め」をたっぷりと取っているため、自分にはそこが少々長く感じてしまったのがスコアが伸びなかった理由のひとつ。

☑️まとめ
自分がよく知っている豪華キャスト陣、そしてハリウッドが誇る美麗な映像効果のおかげで、一般的なエンタメ映画としての及第点は十分に満たしている作品。

「モンスター・ヴァース」としては、本作から3年後『キングコング:髑髏島の巨神』へと続いていく。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2024年鑑賞数:30(15)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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