藻尾井逞育

祝宴!シェフの藻尾井逞育のレビュー・感想・評価

祝宴!シェフ(2013年製作の映画)
4.0
「作り手と食べる人は別だ。万人を満足させるのは不可能。だが心に喜びがあれば美味しくなる。」
「ラッパくわえたバカ女、ド ソ ラ シ ファ ♪」

台湾ではお祝いごとがあると屋外で宴席が開かれ、宴席料理が振舞われる。伝説の料理人を父に持つ主人公は、モデル志望で家を飛び出し料理の腕は初心者だが、父の宴席料理への思いに触れ、全国宴席料理大会への出場を決意する。

2時間半近い長尺の映画ですが、出てくる料理がみな美味しそうですし、話がユーモアに富んで、最後まで飽きずに見ることができました。特に主演の母娘が、まるであき竹城さんと若槻千夏さんの駆け引きみたいで、思わず笑いがこみ上げてきました⁈他にも助手A,Bにされてしまうヤクザや、オタク系の召喚獣トリオなど配役の隅々まで徹底して魅力的です。
鶏肉にスッポンを入れて煮込んだり、モヤシにネギを通したり(?)手の込んだ料理も色々と出てきますが、焼きビーフンやトマトの卵炒めや、余り物で作るおすそ分け煮といった単純な料理の方が、相手を思う気持ちがよく伝わったりするんですね。
チェン・ユーシェン監督は、この作品が16年ぶりと寡作な監督さんですが、どの作品もユーモアに溢れ登場人物全員が魅力的で温かく、見終わると元気になり人生前向きに背中を押してもらえるので、とても好きな監督さんです!

2024/04/03
台湾加油!