円柱野郎

鑑定士と顔のない依頼人の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

話の導入部分は非常に上手い。
主人公の人となりや能力を流れで一気に理解させる演出はさすが。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督作にしてはイタリアの匂いが少ない気もするけど、ヴィラの白壁になんとなく雰囲気を感じるかな。
しかし演出が確か過ぎて逆に伏線というかケレンが目立ちすぎる感じ。
おかげで色々疑わしく思って見ていたものが、おおよそその通り怪しかったわけで…。
最後のどんでん返しも手際は良いけど、そこまで至るに詐欺の手が込み過ぎている印象を持ってしまったので、個人的には少し引いてしまったかな。

序盤の駆け引き…、待ち合わせに現れないとか、癇癪起こして追い返すとか…。
観ている側はミステリーに引き込まれるし、主人公の気を引くことにも成功してるんだろうけど、最終的な詐欺が目標だと思うと、いささか老いらくの恋をあてにする不確定要素が気にもなるんだよなあ。

それでも主人公を演じるジェフリー・ラッシュの演技が良いので最後まで楽しめたけどね。
詐欺の話ではなく恋愛ミステリーと思えばあり。
エンディングも解釈の幅も残していい感じではある。
円柱野郎

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